子どもたちの自立を応援する「全国心の木プロジェクト」では、子どもたちが日頃から色々な人と関わりながら、困った時に気軽に「困った」と相談ができる関わりを作っていけるよう、様々な取り組みを広げています。
その「全国心の木プロジェクト」の一環で、2021年9月11日、長野市川中島にある圓成寺(えんじょうじ)さんにて、坐禅会を開催しました。自分の心に意識を向け、心をととのえる方法として、坐禅は子どもからできる最善の方法です。
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今回は、圓成寺住職の小菅さんに、坐禅について、お話をお伺いしました。
Q.坐禅とはそもそもどういうものでしょうか?
坐禅とは、本来の自分(仏の心)を目指すということを目的とした修行です。
「坐」は、自分の外に心が動かない、という意味
「禅」は、自分の内を見る、という意味があります。
自分の内を見て、安定した心の状態を得るために行います。
Q.坐禅と瞑想、違いはありますか?
広義の意味では同じです。どちらも体をととのえ、呼吸をととのえ、心をととのえるために行うものです。
強いて言えば
坐禅とは、特定のものに注意を向けないで行うもの
瞑想とは、何かイメージを使って行うもの
とイメージすると分かりやすいかもしれません。
Q.ととのえるには「整える」と「調える」の二つがありますが、意味の違いを教えてください
整えるは自分の外を整理する、きっちりする。調えるは自分の内を調和させる、というイメージだと分かりやすいかもしれません。
Q.禅宗には、臨済宗と曹洞宗がありますが、どのような違いがありますか?
臨済宗は、お釈迦様の修行の追体験を行う事で悟りを目指す宗派です。坐禅中に禅問答「公案」を究明し悟りを目指します。
曹洞宗では、悟りを目指しません。壁に向かってただ坐る、というもの。その姿自体が仏である、という教えです。
Q.坐禅の方法を教えてください
◆環境
まず環境については、静かで薄暗い部屋が良いでしょう。好きな香りを焚くというのも良いと思います。一人で続けることが難しければ複数人で一緒にやると続けやすいかもしれません。
◆服装
体を締め付けない格好で、アクセサリーや眼鏡、時計など、自分を固定しているものは外しましょう。
◆時間帯
朝日が昇る瞬間や夜、お風呂に入って寝る前がおすすめです。
◆意識
我慢大会にならないようにすることです。無理してやろうとすると心が乱れます。リラックスをして、無理をせずに行うことが大切です。
◆呼吸
・呼吸は坐禅において最も大切なことです。坐禅では、呼吸という「無意識」を「意識化」することで内に意識を向けていきます。
・まずは吐き出すことが基本ですが、これがなかなかできないという方が多くいます。最初は慣れないかもしれませんが、吐いて吸うを繰り返していきましょう。
・基本は「腹式呼吸」です。口からゆっくり吐き出し、鼻から吸う、を繰り返します。お腹の中にある汚れている空気を外に吐き出す、というのをイメージしてみてください。そして鼻から吸った空気を「丹田」に空気を溜め込んでいきます。
Q.子どもにも坐禅はできますか?
もちろんできます。子どもたちや、心が苦しいと感じる方にはぜひやっていただきたいと思います。
子どもの集中力がない、落ち着きがない、ということで難しさを感じる方もいますが、「集中できる環境」を用意すれば、少しずつ長い時間坐っていられるようになります。
子ども一人にやらせるのではなく、お父さん、お母さんもぜひ一緒に坐ってみてください。
Q.圓成寺さんが日々取り組まれている活動について教えてください
子どもたちができることを色々企画していきたいと考えています。今はコロナ禍でできない行事もありますが、以前は夏休み中、ラジオ体操の後にみんなで坐禅をしたり、勉強の時間を設けたりしました。また、様々な職業の方に講師となってもらい、子どもたちが話を聞く機会を作ったりもしました。
今も継続しているのは、毎月第2、第4土曜日の18時から行っている坐禅会です。子どもから60代くらいの方まで、色々な方が参加されています。
また、長野市川中島は川中島白桃が有名なのですが、4月になると一面桃の花で満開になります。その桃の花を愛でながらお祭りができたらと思い、<桃の花まつり>を企画しています。来年は実施できることを祈っています。
Q.子どもたちがイキイキと生活していくために必要なことは何だと思われますか?
「幸せ」はもっともっと、と求めてしまいがちですが、「安心」はその状態そのものです。それ以上を求めることはありません。子どもたちがイキイキと生活していくために必要なことは、まずは「安心感」だと思います。
Q.最後に、行きづらさを感じている人たちへ、メッセージをお願いします。
他と比較することから解放されてほしい、と思います。他人と比較して自分を意味づけるのではなく、自分の中身をぜひ大切にしてください。
そして、「安心」を広げて、焦らず生活してほしいと願っています。
小菅住職さん、ありがとうございました!
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