この15年で小さい子どもの習い事が急増
近年、日本では子どもの習い事が低年齢化しているといわれます。周囲の子どもたちをみても、水泳やダンスなどのスポーツを習っていたり、幼稚園のときからお受験対策の塾に行く子もいます。早い子は0歳児から熱心に幼児教室に通う子もいるくらいです。
実際、ベネッセ教育総合研究所が行った「第3回幼児の生活アンケート」(※1)によると、1歳から6歳までのすべての年齢で、2000年の調査結果よりも習い事をしている子どもの数が増加していました。6歳までの子どもで、何らかの習い事をしている子どもは57.5%にものぼったのです。年齢別にみると、2歳児が26.8%から37.5%と、急増していることが判明し、習い事をスタートする時期が早まっていることがわかりました。
具体的な習い事の内訳は、通信教育(21.9%)やスイミング(水泳)(16.0%)、スポーツクラブ・体操教室(9.6%)が3位までを占め、さらに英会話などの語学教室(5.0%)音楽教室(4.9%)などとなりました。
急増した理由はここにある!
このように、習い事が低年齢化しているのは、3つの要因があるのではないかと思います。
<要因1>少子化により一人の子どもにかける教育費UP
1カ月にかける教育費の経年比較をした調査結果(※2)をみると、97年→03年→08年で、意外にも変化が小さいことがわかります。ただし、この時期も継続して少子化は進行しているので、子どもの人口は少なくなっています。つまり、1カ月の教育費が同じでも、子どもの人数が減っている分、一人の子どもにかける教育費はUPしているのではないでしょうか。
<要因2>習い事市場による顧客の早期囲い込み
2016年現在、日本は34年連続で子どもの数が減少しています。教育市場にとっては、顧客数の減少で、環境の悪化です。そのため、これまでは小学生を対象にしていた企業でも、顧客幅を拡大するため、低年齢までカバーするようになってきていると思うのです。実際、通信教育最大手のベネッセ、おけいこ教室の公文式など、大手企業も続々低年齢層へアプローチしてきています。
<要因3>幼児教育の情報が手に入りやすい
ITが普及してから、急速に情報量は増加していると言われます。街のちょっとした個人塾でも、WEB上の統計データを駆使して、いかに幼児期から教育することが有効なのかという情報を出すことができます。そもそも、親自身がキーワードで検索するだけで、びっくりするほどの情報がヒットしてきます。
また、ネット広告のように、ネットショッピングをしているだけなのに、自分の関心のある広告が、左にも右にも表示される時代です。キャッチフレーズでクリックしてしまった経験も多いのではないでしょうか。
このような状況のため、子どもにとって有効そう!と思える何かを始めてみたくなる親は多くなっていると感じます。
以上、習い事が低年齢化している要因をまとめてみました。小さい子どもは、まだまだ情報を精査できません。こんな時代だからこそ、親が子育ての軸をしっかりもって、習い事の選定ができるとよいですね。
【参考文献】
※1:「第3回幼児の生活アンケート」ベネッセ教育総合研究所、2005年
※2:「第3回子育て生活基本調査」ベネッセ教育総合研究所、2008年
ライター:アフェクション代表 佐藤理香(RIKA)@Japan
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