【子どもと性】児童買春、児童ポルノ、中絶、性感染症の低年齢化―偏った性情報が子どもを被害者に


人類が今日、この時代に生かされているということは、生殖活動の営みがあってリレーのように「命のバトン」が繋がっているからです。人間の生理的欲求は、食欲・睡眠欲・性欲で、これらは私たちが生きていくには欠かせない根源的・本能的な欲求と言われています。
しかし、
・どんな食事を摂ったらいいのか?
・質の高い睡眠をとるにはどうしたらいいのか?
…と、食と睡眠に関しては活発に公に話し合われているにも関わらず、性だけが何かタブー視や寝た子を起こすな、などという風潮もあり、それほど話し合われていないというのが現実です。
動物と違って、私たち人間にとっての性は、本能的に欲を解消するだけのものとは全く違います。本来セックスとは、お互いが愛し合い、相手のことを思いやり大切にした上での最高の愛の表現。従って、繊細に、大切に扱わなければなりません。
しかしながら、巷には間違った性情報があふれかえり、親が子どもに性について伝える機会が減ると共に、子どもが性について正しい情報を知り、考える機会が非常に少なくなっています。
性は私たちが人生を歩んでいく上でも決して避けては通れず、私たちの命を次の世代につなげていくためにも、子どもたちにもきちんと向き合って、伝えていきたいテーマです。

子どもに性のことを教え始めるタイミングは?

皆さんのご家庭では、性教育はどのようにされているでしょうか?
5歳までに子どもの80%は、「自分はどこから来たの?どうやって生まれてきたの?」と質問するそうです。
我が家でも息子が4歳の時に、彼からそのような質問を受けました。
そのような問いがきたら、どのように答えますか?
子どもはある時期に、自分が生まれてきたルーツを知りたがるようです。
その時こそ、我が子に性のことを教え始める、絶好のタイミングではないかと思うのです。
学校で教えてくれるからいいかな、とも思いがちですが、現在の学校教育の現場での性教育の実態については、こちらをご覧ください。時間の短さや教員自身がどのように伝えたら良いか分からない、ということもあり、性行為や性犯罪の危険性などについて触れることはほとんどありません。
それでは、子どもたちを取り巻く性の現状を見てみましょう。

子どもたちの周りにあふれる性情報―インターネットから性犯罪に巻き込まれるケースが多発


どうやって伝えようかな、と思っているうちに、子どもたちはどんどん成長していきます。二次性徴の出現と共に、異性に興味を持つようになるのは自然なことです。
性的情報も、今は私たちが把握しきれないほどの情報が溢れ、現に中学生がインターネットにつながる機器(携帯・スマートフォン・パソコン等)を持っているのは80%(2014年東京都幼・小・中・高心性教育研究会「児童・生徒の性に関する調査」)と、簡単に情報を入手できる環境になっています。
その中には現実とはかけ離れた過激な性描写・商品化された性情報もあり、セックスに対する間違ったとらえ方・行動をとるおそれもあります。また、大人が子どもたちをターゲットにした商法もあり、容易に子どもたちが犯罪に巻き込まれやすい状況でもあります。
その結果、コミュニティサイトに起因する事犯の被害児童は1,736人で過去最多、罪種別では児童買春及び児童ポルノの被害児童数が全体の56.9%を示していました。(警察庁広報資料「平成28年におけるコミュニティサイト等に起因する事犯の現状と対策について」平成29年4月20日付)

人工妊娠中絶、性感染症の危険性―10代の中絶件数は1日で44件―


セックスをするということは、
【新しい命を生み出す可能性がある】、【性感染症の危険性がある】ということを、きちんと認識しておかないと、悲しい結果になることもあります。
現に学生と面談していても、セックスをしている前提で話をしてくることがしばしばあります。
「今月、生理が来ない・・・」
「彼氏の家にお泊りしたら、変なできものができた・・」
と訴え、泣き出すこともあります。
近年の人工妊娠中絶件数は176,388件で、うち10歳代の中絶件数は16,113件で約10%でした。(厚労省 平成27年度衛生行政報告例)
ここ数年横ばいではありますが、1日で483人、10代の割合では約1日44人の胎児が中絶で命を絶たれているという現実も、忘れてはならないと思います。
*参考:平成28年出生数は98万1000人(厚労省 人口動態統計の年間推計) 生まれてくる子どもの約5分の1にあたる数の中絶が行われていることとなる。
性感染症においても、日本で最も多いクラミジアは、セックスをしている高校生の10人に1人は感染していると言われています。
無症候性のものや届け出がないものを合わせると、もっと人数が多いのではと推測されます。
これは、放っておくと精巣上皮炎や卵巣炎など将来不妊になる可能性も出てくるものです。
また近年増加傾向の子宮頚がんも、ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因で、性行為で感染すると言われていますし、梅毒は近年5年間で約5倍に急増しています。
とりわけ若い女性に増えており、これらはフリーセックスのハードルが低くなったため、不特定多数の性交が要因とされています。また、皮膚を介しての感染もあるためコンドームだけでは完全には予防できませんし、経口避妊薬(ピル)の服用で避妊はできても、性感染症は予防できません。

なぜ中絶、性感染症が低年齢化しているのか


なぜ、このようなことが起こっているのでしょうか。
それは、大人が無責任な、間違った性情報を子どもたちに伝えていることが一番の原因です。
若者向けのトーク番組やドラマを通して、マンガやインターネットから、付き合ったらセックスするのは当たり前のメッセージをたくさん受けていて、子どもたちだけの世界でも、セックスをしていないと取り残されているとすら感じてしまいます。
このように正しい情報かどうかも判断できないまま、フリーセックスの情報が溢れ、多くの子どもたちは本来のセックスの意味やセックスによって負うリスクなど、本当の意味での性教育を受ける機会がないまま成長していっているのが現状なのです。
こうした子どもたちを取り巻く性の現状を踏まえた上で、私たちは子どもたちと性についてどう向き合い、伝えていけば良いのかについて、次回の記事で考えていきたいと思います。
by 森崎智恵子@Japan(保健師。都内保健所保健センター勤務時に感染症予防・エイズ予防相談に関わる。命の尊さ重さを実感し、伝えていくことの重要性を認識。現在「伝える場」を広げるべく活動中)

親から子へ伝えたい性教育勉強会

性教育勉強会
「性教育とは、子どもが自分自身を大切に、そして他者も大切にできるよう心を育てていくこと」だと世界マザーサロンは考えています。
そのためにご家庭でできる性教育の勉強会を開催しています。

これまで、東京、長野を中心に勉強会を開催してきましたが、Zoomアプリを利用したオンラインでの勉強会も開催しています。
1回1,000円/人、1名さまより開催します。

性教育を始めるのは、お子さまが3歳頃からいつでも可能です。
ご家庭で伝えられることを通して、お子様が自己肯定感を育くみ、他者も大切にできる人に育ことを応援します。

詳しくは詳細ページをご覧ください。

性教育勉強会のお申込みや活動全般に関してご興味がございましたら、是非お気軽にお問合せ下さい。

The World’s Mother Salonでは、この夏、性教育について特集していきます。

第一弾
【子どもと性】性教育は学校任せでいいの?学校教育の現状を見てみましょう。
第二弾
【子どもと性】児童買春、児童ポルノ、中絶、性感染症の低年齢化―偏った性情報が子どもを被害者に
第三弾
【子どもと性】自分の命、他者の命を大切にすることに繋がる正しい性の伝え方
以前掲載しましたドイツの性教育の記事も合わせてお読みください。
【子どもと性:ドイツ】生物の授業で性について学ぶー自然に考える機会を子ども達にー
日本とは違った角度から、具体的に正しい知識を与えようという試みが新鮮です。

【緊急告知! 子どもと性特集 番外編】 ※締め切りました
学校教育だけでは不充分!我が子を取り巻く性ビジネスの実態―少年センター現役警察官のお話&「子どもへの性教育」勉強会実際にどう行動していけば良いかみんなで考えてみませんか?
当日は、子どもを取り巻くリスクについて現役警察官から直接現場の状況をお聞きし、その後、こちらの記事を執筆された保健師の森崎智恵子さんを囲んで、どのように子どもと「性」について向き合うか、考えてみたいと思います。詳細は上記をクリック↑↑↑
日時:2017年9月3日(日) 午前中から午後にかけて
場所:東京都新宿区
会費:1500円(昼食代は別途お支払いいただきます)
定員:20名(先着順)

世界マザーサロン編集部

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