【子どもと性】性教育は学校任せでいいの?学校教育の現状を見てみましょう。


子どもが小さいうちは、性教育なんてまだまだ!と思っている方がほとんどだと思います。でも、子どもはいつの間にか小学生になり、中学生になり、大きくなっていってしまいます。家で話す機会はなくても、学校で教えてくれるから良いかな?と思いがちですが、学校教育の状況は私たちが子どもの頃とほとんど変わっていません。
このシリーズでは、学校の性教育の現状、性犯罪や性感染症などのトラブル、子ども達が置かれている状況やどう伝えていけば良いか、ということについて、お伝えしていきたいと思います。子ども達の心と身体を守るために、私たち親の役目は何か、一緒に考えていきましょう。

性教育の時間は中学でも年に数時間程度

日本における性教育は、ベースとして文科省より学習指導要領が示されており、さらに各都道府県の教育委員会でも指導資料として手引きが作成され、一般にも公開されています。
これだけ聞くと、日本の性教育はとてもしっかりしたものだと感じるかもしれませんが、現実はどうでしょうか?それは、こちらを読んでくださっている多くの方が経験してきて、よくお分かりだと思います。実際のところは、二次性徴、生殖、性感染症といった、最低限の内容しか授業で取り扱われません。

それはなぜでしょうか??

理由その1.時間の短さ

中学校の性教育に関するある調査によると、性教育に積極的に取り組んでいる国(ドイツ、フィンランドなど)に比べ、日本は総じて性教育に充てられる時間が圧倒的に短いということがあるようです。学校として年間計画を持っている学校の方が持っていない学校に比べて合計時間数が平均して3時間近く多いとはいえ、年間計画の有無に関わらず、3学年で確保された時間は約9時間しかないようです。

理由その2.どう扱ったらよいか現場の教員も分からない

私たち親の世代でも、性教育を受けたという記憶はあまりないかもしれません。小学校では、男女に分かれて、女子は初潮の話を聞いた程度の記憶ではないでしょうか。中学・高校の学校の教育指針においてももちろん盛り込まれていて、解剖生理・排卵・受精などの言葉は出てきます。また妊娠中絶や性感染症などのページもあります。しかし、どれも断片的で子どもたちの頭の中で、どの程度イメージできているのかが疑問です。
例えば性感染症の感染ルートは「性的接触でうつると書かれていますが、この文言でどれだけ理解できるでしょうか?使ってはいけない用語もあり、10年ほど前、「行き過ぎた性教育」で国会に取りざたされた経緯から、現場の教員たちも性教育をどのように扱ったらいいか、悩んでいるようです。

東京都が定めている<性教育が目指すもの>とは

例えば、現在東京都が公開している指導要綱を見てみましょう。
性教育が目指すものとして、『学校は、基礎的知識・生命の大切さの理解を通して、「人間尊重」「男女平等の精神」に基づく正しい異性間を身に付けさせ、人格の完成・豊かな人間形成を図る。』とあります。
そして、東京都の性教育の指導事例は以下のようになっています。
第1学年 「たいせつなからだ」
第2学年  「大きくなるわたし」
第3学年  「こんなときどうする」
第4学年  「生きているってどんなこと」
第5学年  「育ちゆく体とわたし」
(1)「体の変化について調べよう」
(2)「体の発育・発達に必要なもの」
(3)「男女の体の変化」
(4)「初経・精通」
(5)「男女間の協力」
第6学年 「心の健康」
(1)「心の発達」
(2)「心と体のつながり」
(3)「不安や悩みをかかえたとき」
(4)「友達っていいよね」
(5)「エイズという病気」(病気の予防)
(6)「自分だったらどうする?」
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/buka/shidou/sei_text/text_s.pdf
生命の大切さや人格、体の変化などは学びますが、「性行為」や「性犯罪」について学ぶことはほとんどありません。そして、病気の予防についても、指導要領を見た限りでは、性行為については触れられていません。

しかし一方で、現在は小学生でもSNSで繋がった人に自分の下着を売る、などといったことも気軽に行われているという報告もされており、性犯罪に繋がるケースも増えています。様々な情報が簡単に入手できる状況の中で、子ども達は自分でどんどん情報を仕入れ、「性」について偏った解釈をしてしまいやすい、というのが現状です。

自分を大切にできるように、私たち親ができることを考えていきましょう

未成年の性感染症や望まない妊娠、人工妊娠中絶の増加、またJKビジネスなどが社会問題化している昨今、ネット社会では様々な情報が溢れている状況だからこそ、性を人が生きるテーマの一環として捉え、真に正しい知識を、その背景から伝えていくことがとても重要です。

性教育の内容自体がデリケートな内容を含むことも大いにあると感じるし、国民性もまた影響を与えているという印象も受けますが、望まない妊娠をし、やむを得ず中絶をするもしくはさせる…といった悲しい経験を我が子にさせないためにも、学校任せにせず、私たち親としてできることを今一度考えてみてはいかがでしょうか。
参考:論文 「日本の中学校における性教育の現状と課題」(2012)
大修館書店 保健体育の教科書の一部(2015年発行)
by namie@Japan

The World’s Mother Salonでは、この夏、性教育について特集していきます。

第二弾
【子どもと性】児童買春、児童ポルノ、中絶、性感染症の低年齢化―偏った性情報が子どもを被害者に
第三弾
【子どもと性】自分の命、他者の命を大切にすることに繋がる正しい性の伝え方
以前掲載しましたドイツの性教育の記事も合わせてお読みください。
【子どもと性:ドイツ】生物の授業で性について学ぶー自然に考える機会を子ども達にー
日本とは違った角度から、具体的に正しい知識を与えようという試みが新鮮です。

【緊急告知! 子どもと性特集 番外編】
学校教育だけでは不充分!我が子を取り巻く性ビジネスの実態―少年センター現役警察官のお話&「子どもへの性教育」勉強会実際にどう行動していけば良いかみんなで考えてみませんか?
当日は、子どもを取り巻くリスクについて現役警察官から直接現場の状況をお聞きし、その後、こちらの記事を執筆された保健師の森崎智恵子さんを囲んで、どのように子どもと「性」について向き合うか、考えてみたいと思います。

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日時:2017年9月3日(日) 午前中から午後にかけて
場所:東京都新宿区
会費:1500円(昼食代は別途お支払いいただきます)
定員:20名(先着順)

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