【子どもと性:マレーシア】イスラム教では月経開始後の女性に男性は触れてはいけない!~


多くの国で性教育については教えられていると思いますが、どこまでオープンに話をしているでしょうか。今回は、私の故郷であるマレーシアの3人のママ達に家庭での性教育について話を聞いてみました。
Aママは華人系マレーシア人、1女2男がいるワーキングマザー
Bママは華人系マレーシア人、2男1女の主婦
Cママはイスラム教徒のマレーシア人で、3男1女の4人の子どもがいる主婦です。
文化、宗教による教え方、内容の違いも見えてきます。

学校での性教育は10歳から。中学では出産や月経の週数についても学習。

マレーシアでは、家に弟や妹など性別の異なる兄弟がいる場合は別ですが、小さい頃は特に男女の区別など教えることはあまりありません。小学校に入学する7歳頃までに男女の区別を簡単に学び始め、そして小学4年生(10歳)頃から「健康教育」が始まります。
小学4年頃に男女の器官の名称、機能、月経などについて学び、中学生(14歳)の教科書では、女性の出産について、各器官の働きやどう出産するか、月経の週数の計算方法が加わります。小学校でも月経については触れますが、中学では更に深く、出産の過程まで教わります。

授業では、先生は外の世界で起こっている問題――強姦、乳児遺棄、暴力、麻薬、酒、たばこ、性犯罪の問題について、新聞などで学生たちにその怖さを伝え、もしそのようなことに遭遇した時、誰に助けを求めるか、どう自分を守るかも学びます。これら社会問題が教科書に記載されていない場合は、科学の教師が話をしてくれます。

時間に追われ、話す機会がない!マレーシアでもワーキングマザーは忙しい

ワーキングマザーのAママは、出勤前は子ども達のお弁当作りに追われ、 帰宅後は家事に追われる日々。5年生の女の子がいますが、休日を除き、ほとんど子ども達と接触することはありません。もちろん勉強を見る時間もありません。
4年生頃、その女の子が健康教育に関する問題について聞いてくるようになりましたが、その内容に驚いた、と話していました。この教科書は性教育についてだったからです。そして現在、5年生の教科書には、精子と子宮について、子ども達がどう誕生するのか、月経についての話も触れられています。

最近、マレーシアの子ども達は皆早熟で、10歳頃になると月経がはじまり、胸のふくらみが目立つようになってきます。Aママの世代では、性教育は17歳の教科書でようやく学んだ程度。10歳から何をどう教えたら良いか、ママ自身も分かりません。家では、危なそうな人には近づかないように、ということは伝えていますが、性犯罪や身体の変化について話すことはないとのことでしたが、マレーシアでも、どう話をしたら良いか分からないというママは多そうです。

学校教育だけでは不十分!家庭での性教育こそが大切

一方、Bママは、子どもが小学校に入る前から家庭で性について教え初め、新聞やテレビのニュースを通して、外の世界の危険性なども伝えてきました。Bママの家は大都市(クアラルンプール)にあるからです。

Bママは家庭教育の重要性を大変重視しています。子ども達は反抗期になり、授業を聞いていない可能性が高いため、学校が教えていることを子ども達が理解しているとは限らない、ということも感じています。
そのためBママは子ども達の交友関係を把握するほか、携帯やパソコンの管理など家のルールも定め、ニュースの内容を子ども達とシェアし、子ども達に社会で起きている事件の怖さや、自分を守る方法、このような社会問題をどう避けていけば良いかなど、日常的に話をしています。そのため、子ども達も充分に意識をしているようです。

イスラム教では様々な戒律が―月経開始後は頭髪を隠し、女性以外とは触れない―

イスラム教徒の子ども達の学習方法は華人系の学校教育とは少し異なります。学校での勉強だけでなく、普通の学校が終わり、家でご飯を食べた後、午後2時半から5時頃までイスラム教特定の学習教室でイスラム教を学びます。イスラム教の子ども達がどのように性教育を学ぶのか、もう少し見てみましょう。

イスラム教では、月経、射精、男女の接触、断食、開齋節(Hari Raya Puasa:ハリ ラヤ プアサ(イスラム断食明けの最大のお祭り))などに関しても、多くの戒律があります。イスラム教は授業の時、生徒は男女別々のクラスになります。そして、男性教師(ustaz)と女性教師(ustazah)に分かれ、授業が行われます。月経や射精については10歳頃から学び始め、11-12歳頃から、更に細かく学んでいきます。
イスラム教の戒律上、月経開始後の女性に男性が触れることは一般的に禁止されています。家族でも父親や兄弟はNGです。学校では、クラスの男子生徒や男性教師は、月経が始まった女子生徒に触れることはできず、手をつなぐことも禁止されています。また、男子は、一度射精を経験後または声変わり後は、「大人」として扱われるようになり、女子に触れる際には充分注意するように言われます。こうしたことはイスラムの授業の中で全て教えられる他、家庭でも子ども達に外での行動については話しがされています。

また、女性は月経開始後、頭を布で包まなければいけない他、断食(Fasting month)期間に女性が月経の場合は、1週間だけ、他の人に見えない場所で食べても良いことになっています。これは一つの断食期間中のマナーです。そして、開斎節(Hari Raya Puasa)が過ぎた後、断食期間中に飲食をした日数分、断食をすることになります。

家庭で身体の変化について安心して聞ける環境作りを

イスラム系のCママは、毎日子ども達にお弁当を作り、学校へ送り出し、課外活動の際のお弁当も車で持っていく、というとても徹底した女性です。現在、Cママの子ども(女の子)は11歳。
彼女は自分の体の変化にしっかり意識を向けており、お母さんに、先生が教えてくれたことと自分の体の変化についてよく質問をしてくるようです。お子さんはとても好奇心が強く、何でも聞いてくるため、親子でより深く話をしているようです。Cママは、最近の子ども達の性教育に対する認識がとても早いと驚いていました。
3人のママ達の話を聞いて、改めて家庭での教育の大切さを感じました。母親からしっかりと話をすることができれば、子ども自身も自分の身体の変化に関心を持ち、分からないこと、不安なことがあった時、すぐに家族に相談をすることができ、自分の身体を大切にすることができるようになります。

私自身が性教育について学んだのは17歳頃だったと記憶していますが、現在は10歳から教えられています。忙しさに追われ、時間が過ぎてしまうママは多いと思いますが、大人が子ども達の性教育に関心を持つことで、子ども達の身体を守ることにも繋がります
社会全体で子ども達を守れる世の中になることを願っています。
VeggieChew@Malaysia

The World’s Mother Salonでは、この夏、性教育について特集しています。

第一弾
【子どもと性】性教育は学校任せでいいの?学校教育の現状を見てみましょう。
第二弾
【子どもと性】児童買春、児童ポルノ、中絶、性感染症の低年齢化―偏った性情報が子どもを被害者に
第三弾
【子どもと性】自分の命、他者の命を大切にすることに繋がる正しい性の伝え方
世界の性教育についても取り上げています。
・中国
【子どもと性:中国】2016年の性被害児童は778人―性犯罪の増加、性行為の低年齢化により変わり始めた学校教育
・ドイツ
【子どもと性:ドイツ】生物の授業で性について学ぶー自然に考える機会を子ども達にー
その他、日本の性教育や性犯罪の現状から海外の性教育事情について、様々な視点で情報を配信しています。
性教育に関する記事をまとめてお読みいただけます
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性教育特集by世界マザーサロン

親から子へ伝えたい性教育勉強会

性教育勉強会
「性教育とは、子どもが自分自身を大切に、そして他者も大切にできるよう心を育てていくこと」だと世界マザーサロンは考えています。
そのためにご家庭でできる性教育の勉強会を開催しています。

これまで、東京、長野を中心に勉強会を開催してきましたが、Zoomアプリを利用したオンラインでの勉強会も開催しています。
1回1,000円/人、お1人さまより開催します。

性教育を始めるのは、お子さまが3歳頃からいつでも可能です。
ご家庭で伝えられることを通して、お子様が自己肯定感を育くみ、他者も大切にできる人に育ことを応援します。

詳しくは詳細ページをご覧ください。

性教育勉強会のお申込みや活動全般に関してご興味がございましたら、是非お気軽にお問合せ下さい。

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