現在の英語教育の現状は?~学習習慣は家庭から~【日本の学校教育②】

英語の非常勤講師をされていたKathyさん。英語に関しては、塾は必要ないと言われています。重要なのは、学校、家庭でどのように学習していくか。その方法はどういうものなのでしょうか?


「グローバル」という言葉が当たり前に使われるようになり、早い子は乳児期から英語を習い始める、というケースもよく聞くようになりました。こうした流れの中、私たちが子どもの頃と今と、学校教育はどのように変わってきたのか見てみましょう。

中学でようやく「書く」がスタート。筆記体は任意で学習


私は以前、中学校の非常勤講師をしていました。教科は英語です。まず、私たちの時代と変わったことについて、ご紹介しましょう。
35年ほど前の話になりますが、私たちの時代の英語教育は、中学1年生で始まりました。当時まだ英会話スクールに通っている子はほとんどいませんでしたが、小学校ではローマ字を習うため、大文字小文字は書けるようになっていました。
一方、今の小学校では、5年生から英語が必修化されたものの、「書く練習」というのはほとんどなく、聞くこと、話すことに焦点をあてた授業となっています。そのため、中学校で書く練習が始まるのですが、まずアルファベットが書けないという生徒が少なからずおり、そこで大きく出遅れてしまう傾向が見られます。
ちなみに、筆記体も必修ではなくなってしまいました(一部の私立の学校はその限りではありません)。筆記体はサインであったり速記したい時に大変便利だと思うので、私は時間がある時に名前くらいは書けるよう指導してきましたが、こういったことも担当の先生の考え方によって、教わる内容に差が出てきます。

塾通いしている子としていない子の差が歴然

昔は中学1年のスタート時に生徒の英語力にほとんど差は見られませんでしたが、今は小さい頃から習っていた子とそうでない子の差が激しく、指導の際には注意を要しました。「書く」ことも含め、できる子はどんどんできる、できない子はどんどん落ちこぼれて置いていかれる、という状況があるからです。英語は、最初につまずくとその後なかなか這い上がることが出来辛い教科であると言えるかもしれません。
こうしたことを防ぐためにも、小学校では最低限の書く練習(アルファベットの大文字、小文字)は必要だと私は考えています。もちろん、聞くこと、話すことも重要ではあるのですが、今の日本の受験体制が変わらない限り、やはり読み書きは必須。ここに抵抗を感じないようにしていくことも大切ではないかと思います。

英語は丸暗記ではない!自分で考えて問題を解く力を。


さて、この読み書きが学校の授業で身につかない理由は、私は授業の進め方にあると思っています。授業の大まかな流れは、まず、教科書の文法事項の説明、教科書の新出単語を読んで練習、意味を確認後、本文訳、読み練習、となります。たいてい、先生が解説し、単語の意味と本文訳を生徒に当てて、できる子が発言する、といった形で授業が進んでいき、できない子、わからない子は置き去り、というケースが多いのです。
私の授業では、教科書の予習を毎回宿題にしていました。単語の意味を自分で調べるのと、学校で習ってノートに写すのとでは全く理解度が違います。同様に本文も一度自分で訳してみて、分からないところを授業で聞くのと、全く見たこともない文の訳をいきなり授業で聞くのとでは、雲泥の差があります。
書く力、読む力は、学校の授業だけでは身に付きません。自分でやってみて初めて分かないところが分かります。そのことを徹底してやっていました。予習もやらない、単語も覚えない、で英語力を身につけることはできません。「自分で考える力」がないと英語力向上は難しいと言わざるを得ません。丸暗記の時代は終わりました。これからは自分で考えて問題を解く力を持った子が生き残れる時代ではないでしょうか。

中学生までに身に着けておきたい自分で学習する力


次に中学生の英語勉強法をご紹介しましょう。

1.必ず毎日予習する

よく教科書ガイドを丸写ししてくる子がいるのですが、これは全く無意味。写すだけでは頭に入らず、その上、やってきた感だけはあるため、厄介です。必ず単語は自分で調べて(辞書ではなく、教科書の後ろの解説でOK)ノートに転記しましょう。本文訳は、始めは難しくてできないかもしれませんが、分かるところだけやっていけば大丈夫です。 そのうち、徐々にわかってきて、全部一人でできるようになります。(これは実証済みです!)

2.授業では、予習で分からなかったところをしっかり聞く

予習の際、本文を読んで分からなかったところの解説を授業で聞くと、何が分からなかったのか、何故分からなかったのか、が分かります。これを続けると、長文問題が難なく解けるようになってきます。

3.音読をしっかりする

これは、実はあまりしていない子の方が多いのではないでしょうか。日本人は恥ずかしがり屋な子が多いので、本文のリピート練習の時に声を出さない子がいたりします。でも、英語などの言語は、声に出して初めて話せるようになるのです。速読も然りです。家で声を出して読むことが難しいのであれば、授業中にしっかり声を出して読むことが大切です。
これだけでもかなり上達しますが、こうした学習習慣は急には身につきません。小学生の頃から、家庭で少しずつ習慣化させていくことが重要だと感じています。

プラスアルファを考えるなら、オンラインやラジオで充分!


英語力向上のためにできることはまだまだありますが、上述した3点を意識してやっていけば、中学3年間でしっかりと基礎の英語力は身につくはずです。そしてプラスアルファで習い事を考えるのでしたら、英会話スクールではなく、オンライン英会話がおススメです。
週に一回でもいいですし、毎日でも可能です。何より自分のペースで進められることと、安いのがいいですね。あとは、NHKのラジオ基礎英語。聞くだけなら無料ですし、テキストを買っても一冊432円なのでお得です。これでもリスニング力は充分身につけることができます。
英語に関して言えば、塾ははっきり言って必要ないと思います。それよりも、いかに家で勉強できるかの方が大切です。予習・復習をやり、プラスでリスニング、スピーキングを強化する、程度で良いと思います。ただし、慣れるまでは家でお母さんがフォローしてあげて下さいね。習慣ができれば、一人でもできるようになりますが、始めからできる子は少ないと思います。

世界に目を向け、子ども達の可能性を広げよう


近い将来、英語の授業は、オールイングリッシュで行われることになりそうです。そこまでできる英語教師が何人いるか、という課題がありますが、全くその通りです。英語の先生の英語力が問題となっています。
そのため、すぐに変わるのは難しいでしょう。ただ、これからの時代、日本しか知らない、日本語でしか話せない、日本語でしか調べることができない、というのでは、世界を広げることが難しくなってしまいます。そのため、学校が変わるのを待つのではなく、ご家庭でできることから少しずつでも、取り組まれていくことが望ましいと思います。
私は世界を広げる手段として「ドイツへの親子留学」という方法を選択しましたが、他にも方法は色々あるはずです。英語は、視野を広げる一つの手段。視野を広げ、自分の適性、専門性を見つけるために、一人でも多くの子たちに世界へ羽ばたいてほしいと願っています。
By Kathy@germany
ドイツ在住。一児(2017年現在11歳の男児)の母
某上場貿易会社で海外営業部、総務人事部マネージャー、内部監査室長として勤務。
海外出張が多く、ずっと保育園で育てられた子どもとの時間を確保するため退職後、非常勤英語講師として公立中学校で勤務。日本の教育現場に疑問を抱きつつ、ドイツに親子留学を決意。
現在は、ドイツの小学校でボランティアとして活躍中。
ブログでドイツの様子など記事を配信中。
www.w-beach.com

The world’s mother salonでは、Kahtyさんも選択したドイツへの親子留学について連載しています。
親子での海外留学に興味をお持ちの方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。
lolley親子のドイツ留学 実践編
①最初の一歩はここから
ドイツ留学の際に抑えておきたいポイント
②ドイツ留学=移民で親のために用意されている語学コース
ドイツ移民のためのドイツ語オリエンテーリングコース/Germany
③多国籍の子どもたちが集まったドイツ語コースからステップジャンプ
12歳からの移民クラス~ドイツ移住の子ども向け語学コース/Germany
④ドイツのハイスクール=ギムナジウムの制度とドイツに移住(留学)してギムナジウムに入ることはできるのか
ドイツ留学シリーズ(4)ドイツの中高一貫校「ギムナジウム」は自主学習力が必須!/Germany

日本の学校教育について、前回は教員の負担過多についてとりあげました。
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