【8/27 共助コミュニティの創り方 第二部パネルディスカッション】枠組みを取り払うために考えたいこと

8月27日(日)、長野市にて、若者の自立支援を行う「学び舎めぶき」主催により、サッカー元日本代表監督岡田武史さんをお招きして、講演会を開催しました。

今回は、第二部のご報告です。

第二部のパネルディスカッションでは、岡田武史さん、株式会社長野パルセイロ・アスレチッククラブ 総務部長 町田善行さん、信州大学工学部建築学科助教 佐倉弘祐さんにもご登壇いただきました。

学び舎めぶきが感じている現状の課題

学び舎めぶきが現在感じている課題は、「福祉の制度にはまらずに困っている人がとても多い」ということ。例えば、コミュニケーションや日々の生活の上で様々な困り感があっても、障がい者手帳を取得するほどではない、逆に手帳を持っていても福祉は使いたくない、といったケースもあります。その場合は福祉の制度は使えず、支援につながりにくいという状況があります。

どのような背景であれ、誰もが安心して生きていける社会にするためには、「福祉」という枠でくくるのではなく、もっと社会全体で、地域、学校、企業等がアメーバ状に関わっていくことが大切ではないか、と感じています。

第二部では、今回のテーマである「共助コミュニティ」をキーワードとして、そのあたりの話を中心にディスカッションしていただきました。

枠組みを取り払うには?~その1.意識を変える~

岡田さんのお話の中で、「こういう人はどうする、といった枠組みで考えるのではなく、みんなそれぞれが思ったように助け合うコミュニティを創る必要がある。そのためにも、若い人たちがそういった考え方を持って、大きくなってリーダーシップ、つまりキャプテンシップを持ってコミュニティを創ってほしい」といった想いを伝えていただきました。

そのための教育。岡田さんが繰り返されていた「キャプテンシップ」については、こちらをぜひご覧ください。

効率的に支援をするため、いつのまにか「枠」でまとめることが当たり前の社会となってしまいましたが、まずはその枠を壊すところから意識を変えてみる。

常識として見ているものを変えることは簡単ではありませんが、その目の前の人にとって、今必要なことは何か、という原点に立ち返り関わり合える関係を作っていくことが大切だと感じました。

枠組みを取り払うには?~その2.行動を変える~

信大佐倉さんが進められている「まち畑プロジェクト」では、町の中の空き地を有効活用し、経済的利用ではなく、「地域のコミュニティ」としての場を広げていこうとされています。

コミュニティは一度できると、最初に関わった人だけが盛り上がってしまい、外部の人は入りにくいと感じることも多くあります。佐倉研究室では、「地域の人たちにコミュニティに入ってもらうには、自分たちから出ていくしかない」と考え、待ちの姿勢ではなく、積極的に外に出ているとのことでした。

自分たちから外に出る、という考えは、どの現場にも当てはまることだなと感じました。

枠組みを取り払うには?~その3.ワクワクの要素を取り入れる~

そして、そのコミュニティを継続させ、人と人のつながりを作るために必要なのは、「ワクワク」の要素。

まち畑プロジェクトでは、例えば、自然や動物を介することで、人が入りやすくなる工夫をされています。

パルセイロは「サッカー」という分かりやすい目的があります。

そのワクワクを目的に、様々な人が集います。

更に、パルセイロでは、色々な選手のキーホルダーなどが入っている「ガチャガチャ」の交換会がリアルで集まって行われており、そこが一つのコミュニティになっているとのこと。これは運営側が意図せず偶発的に創られ、盛り上がっているコミュニティです。

物理的な場だけがあっても、人は集まりません。

コミュニティを創る際、「こうしなければ」「こうすべき」ではなく、様々な可能性を排除せず、一緒にワクワクを作り出していける場でありたいですね。

岡田さんがコミュニティを育てていく上で大切にしていることは「主体性」

岡田さんが、来年度の開校に向けて準備を進められているFC今治高等学校里山学園で先生方に伝えていることは、

何かあったら、「どうしたの」と聞く

そして、「君はどうしたいの」と聞く

その上で、「先生に何か手伝えることある?」と聞く

ということ。

本人の主体性をどうやって引き出すか。それが結果的に、主体性のあるコミュニティの創り方につながります。 「本人がどう生きていくか、それを信じて、持っている力を引き出す」という岡田さんの言葉がとても力強く胸に響きました。

コミュニティ創りに大切なのは「共通の目標」

一番大事なのは、コミュニティの一番上の共通の目標。

どんなコミュニティにしたいのか。そこをしっかり話すこと。これは全ての組織運営において当てはまります。まずは運営者が主体的に「どうしたいのか」を明確に伝える。

それぞれが何を大切にしているコミュニティなのかが明確に見えてくると、初めて参加する側であってもコミュニティに入りやすくなります。

様々な想いのコミュニティが増え、選択できる機会が広がっていったら、誰もがもっと生きやすくなるように思います。

共助コミュニティは、まずは一人ひとりが主体的に生きることから

最後の質問コーナーで、「責任を負うことが怖いと思うことはありませんか?」という会場から出た質問を岡田さんにお聞きしてみました。

「人は人により良く見せたいと思うから苦しくなる。より良く見せたいを少しでも削ると楽になれる。開き直れたら怖いものはなくなる」と岡田さん。ここでも出てくるのは、主体性。周りからどう言われるかではなく、自分はどうしたいのか。

共助のコミュニティがテーマの今回の講演会とパネルディスカッションでしたが、一貫して出てきたキーワードは「主体性」でした。

自分はどう生きていきたいのか。自分ができることを明確にし、自分を理解することで、コミュニティの中での役割が分担され、それが最終的に、「共助」のコミュニティにつながっていく。誰かが創ってくれるのではなく、自分がどうしたいのか、ということを深く考えさせられました。

右から、岡田さん、永井、佐倉さん、町田さん

岡田武史さん、町田善行さん、佐倉弘祐さん、たくさんの気付きと学びの時間をありがとうございました!

(学び舎めぶき 永井佐千子)

第一部の報告についてはこちらをご覧ください。

アフター交流会の様子については、こちらをご覧ください。

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学び舎めぶきについて

「学び舎めぶき」は2021年12月に開所しました。誰もが利用しやすいように、利用料は無料です。これまで小学生から成人まで、50名近い方が利用登録をされ、就労できるようになった方も増えてきています。特に20歳前後の方からの相談が多く、この1年の活動を通して、行き場のない人たち、制度の支援から漏れている人たちの多さを痛感してきました。私たちの活動に共感して頂き、2022年12月19日には、朝日新聞の『天声人語』にも掲載されました。


高校を卒業してからどこともつながらないまま、引きこもってしまっているというケースも多く、早い段階で信頼できる、安心できるつながりを持つことの大切さを感じています。

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