治療か虐待か?~中国の『インターネット依存症治療センター』/China

中国では、ネット依存症になってしまった子どもを「治療」する施設があるようです。親のエゴがここでも子どもたちを追い詰めています。

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中国の山東省臨沂市には、インターネット依存症治療センターがあります。これは2006年に治療センターとして建てられました。多くの親に治療のため送り込まれた重度のインターネット依存症の子どもを聞き分けの良い子どもに変える施設です。
しかし、この治療センターで「治療されている」子ども達からは、この場所は「強制収容所」だというのが一般的な評価です。
そもそもインターネット依存症とは何でしょうか。この治療センターではどのように治療しているのでしょうか?
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インターネットゲームを止められない「インターネット依存症」

インターネットの普及により、より多くの人がこの便利な道具を使い始めました。その中で夢中になりすぎ、自分でやめることのできない人が少なくありません。インターネットゲームをやめられずに、学校をさぼり、正常な生活学習ができなくなります。これを、インターネット依存症といいます。
両親は、自分の子どもがインターネットゲームに夢中になり、授業に出ず、話しを聞かないのを目の当たりにし、目の前に迫っている危機を感じるようになりました。そうした背景から、インターネット依存症の治療ができる機関が生まれました。
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治療か虐待か?~ずっと跪き誤りを認めさせる~

山東省臨沂市に建つインターネット依存症更生センターは、両親に連れて来られたインターネット依存症の子ども達を、電気ショック療法で治療しています。
論争を引き起こしているのは、「電気ショック」です。「電気ショック」は精神疾患の治療には使われますが、必ず麻酔が必要です。まず、インターネット依存症は精神疾患かどうかの論争があります。まして、麻酔をしない「電気ショック」は虐待であることは言うまでもありません!
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インターネット依存症治療センターから出てきた子どもは、治療の時のことをこう言っています。「“電気ショック”をする時は、ずっとひざまずき、誤りを認め、二度としないと誓います」と。
治療期間は3ヶ月。その3ヶ月間で正常になれば退院できます。もし退院後、また依存症になってしまった場合は、再度治療センターに送られます。そして、「電気ショック」の苦痛から、退院後に枕の下にナイフを置いておき、再度センターへ入れられる事になった場合には、自殺してしまうという子も少なくないのです。

悲惨な治療にも関わらず満足する両親たち

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このようにひどい状況ではあるのですが、子どもをセンターに送り込んだ両親たちは、言う事を聞かない自分の子ども達が、すっかり聞き分けの良い子に変わったのを見て、治療センターに対して感激しているほど。
日本の作家、伊坂幸太郎は、親になるのに資格試験がないというのは、本当にとても怖いことだ、と言っています。
親たちは、子どもが電気ショックを受けるのを目の当たりにしているのにもかかわらず、これが正当な治療だと思い込んでいるのです。なんと無知なことなのでしょうか!
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たとえ親たちが子どもたちの苦痛を知っていたとしても、それでもその治療を続けることを選択しています。子どもたちの苦痛よりも、言う事を聞かないということの方が重要なのです!
結局、こういう親というのは、子どもを自分の所有物だと思っているのです。何が何でも、聞き分けがよくないといけないのです!
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依存症は治っても、もとに戻らない両親との信頼関係

「治療」を受けた子どもたちが退院した後、確かにインターネットに夢中になることはありませんが、両親のことを信用できず、多くの子どもが退院後、1年中、悪夢を見ていると言われています。
世帯を持った後は、両親の元を離れ、故郷から遠くへ移る子も。インターネット依存症更生センターでは、号泣や身震いが止まらないという人も少なくありません。インターネット依存症が治った子どもたちは、治療方法のない心理的な病にかかってしまうのです。
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救いようのないことが現実の中にはありますが、自然に形成される心理的疾患は、劣悪な少年犯を造りだすことにも繋がります。私達に必要なのは、正式に認められている合理的、合法的、科学的な機関であったとしても、このような治療という看板のもとに、未成年を虐待するような場所ではないのです。
By yuki@China
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