避難移住という選択Vol.2 ~岡山に避難移住者が集まる理由―短期保養で数値改善も~

前回の記事(避難移住という選択Vol.1~家族と共に岡山へ移り住んだ子どもたち/Japan)では、神奈川から岡山に避難移住された方のお話についてご紹介させていただきました。子どもを持つ私たち親が子どもたちの未来を考えた時、決して無視できない放射能汚染問題。今回は、岡山に多くの避難移住者が集まる理由をさらに掘り下げたいと思います。

東日本大震災はまだまだ終わっていない

東京で日々、普通に生活をしていると、なんとなく東日本大震災による福島第一原発の放射能汚染問題はもうほぼ解決されたのではないかと錯覚してしまいがちです。なぜなら、一見すると、みんな今までと同じような生活を送っているからです。
放射能は目に見えず、何事もなかったかのように感じてしまいますが、実際は決してそのようなことはなく、状況は一切良くなっていません。

陸前高田市 奇跡の一本松
今回、私たち親子の1週間弱の岡山滞在期間中に、神奈川、千葉、埼玉、東京…それぞれの場所から、母子や家族全員で移住されてきた多くのご家族との出会いがありましたが、その数は想像以上の多さでした。
そして、移住者の方が開いたカフェを幾つか訪問させていただきましたが、国内外の原発問題や、子どもたちを被曝からいかにして守るかについての多くの書籍が置いてある光景も目にしました。
意識を高く持っているつもりの私でも、東京で毎日を過ごしていると、もう何事もなかったのではないかと思う時(思いたい時)が多々あります。しかしながら、今回の岡山訪問をきっかけに、この問題の根深さを痛感させられました。

乳幼児の9割近くに血液検査異常も


今回、東日本大震災を機に、東京都内のクリニックを閉め、岡山で新しく開業し、主に首都圏から来る子どもたちやその親の被曝検査をされている三田医院(http://mitaiin.com/)の三田先生にもお会いしてきました。
(三田先生が感じる危機感についてはこちらに記されています。http://mitaiin.com/?page_id=10
三田先生のところには、日々、都内や首都圏近郊から多くの子どもやお父さん、お母さんたちが来院され、甲状腺や血液の検査を受けているとのことです。
私が大変驚いたのは、三田先生のところに来院される小さい子どもたち(乳幼児)の実に9割近くは甲状腺に異常がなくても、血液検査では何らかの問題が見られ、逆に30代、40代世代の方は、血液検査よりも甲状腺に異常が見られる傾向がある、ということです。

短期保養でも数値は改善!

異常が出た、となるとパニックになりそうですが、例え血液検査に異常が見られたとしても、岡山などの西日本に短期間でも保養滞在するだけで、血液検査の値はかなり改善されるケースもある、ということをこれまでの診察から感じていらっしゃるそうです。そのため三田先生は、移住とまではいかなくても、時々、保養で子どもと西日本を訪れることを勧められています。

私は現在東京に住みながら、出来る限りの内部被曝を避ける努力をしています。このまま私たち親子のように東京など東日本に残るという選択肢もありますが、もし移住をしたいということであれば、岡山を勧めたいというのが三田先生のお考えだそうです。
なぜなら、東日本大震災後、体調不良等で東日本から西日本へ移住した子どもたち、お母さん、お父さんたちの健康状態を追っていくと、西日本の中でも特に岡山に移住された方が最も検査データが良くなる状況を目にしてきたからだそうです。
そして実際、前回の記事でも触れましたが、国内移住先として岡山を選択される方はとても多くなっています。この「岡山現象」に関し研究をしている後藤範章日本大教授(都市社会学)が報告書をまとめられています。(参照:山陽新聞 http://www.sanyonews.jp/article/173791

避難移住先として岡山が選択される理由

この報告書によると、岡山へ移住者が集まった背景には、「おいでんせぇ岡山(http://www.oidense-okayama.me/)」や、避難者らで作られた「子ども未来・愛ネットワーク(http://kodomomirai.org/)」など、多くの非難移住支援団体の存在により、幅広い支援が展開されてきたことが挙げられます。
さらにこうした市民団体の活動をきっかけに行政も動きを見せ、岡山市と支援団体が連携した移住相談窓口「移住・定住支援協議会」が出来たことも移住者を集めるきっかけとなったようです。

岡山吉備路 五重塔と菜の花
またその他に、原発が近くにない、地震などの自然災害が少ない、晴れの日が多いなど環境的要素も、岡山が移住先として人気を集めた理由として考えられています。
岡山市の移住相談窓口は都内にもあり、私も2016年に実際に足を運んだことがあります。その際の岡山市の職員の方からのお話では、都内から岡山に移住されたいと相談に来られる方の数は、震災後年々落ち着きをみせるかと思いきや、その数は減ることはなく、高止まり傾向と伺いました。

避難移住も選択肢の一つに

東日本大震災による福島第一原発事故により、東日本の広い範囲が放射能で汚染されてしまったことは事実です。では私たち家族のように、今現在東京など東日本に住んでいる方たちがすぐに避難移住をするべきかと言われると、それぞれの家庭の事情、生きていく上での価値観などがありますので、必ずすべき、と言うものではありません。
ただ、持ち家も仕事も全て手放し、避難移住という選択をされて岡山などに移住されたご家族が多くいることも事実です。
こうした事実も踏まえた上で、「避難移住なんて無理」と最初から決めつけるのではなく、そういう選択肢もある、ということを改めて考えてみても良いのではないか、とも思っています。

次回の記事では、避難移住をしないという選択をした場合に、私たちが今の場所で自分と子どもを守るために何が出来るのかを考えていきたいと思います。
最初から読んでみたい方は、「避難移住という選択Vol.1~家族と共に岡山へ移り住んだ子どもたち/Japan」からお読みください。
By Kocchi

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