2019年6月7日、筑波大学付属小学校4年生のクラスにて、㈳世界マザーサロン代表理事の永井佐千子が特別授業を担当させていただきました。テーマは、【“心の木”を育てよう】。子どもたちの感性が本当に素晴らしく、真剣なまなざしが今でも忘れられません。授業の様子を、子どもたちから届いた感想文と合わせてご紹介します。
自分の気持ち、大切にできているかな?
気持ちにはどんな種類があるかな?という問いに、嬉しい、楽しい、ワクワク、悲しい、寂しい、苦しい、恥ずかしい、悔しい、もどかしい、うらやましいなど、たくさんの気持ちを出してくれました。色々な気持ちがありますが、苦しい、恥ずかしい、悔しい、といった気持ちも全て自分の大切な気持ち。「こんな風に思う自分はダメなんだ」と自分を責める必要は全くありません。ただ、ずっと持っていると苦しくなってしまいます。
では、そんな時にどうするか。
大切なのは、そう感じている自分を認める、ということ。
あー今、自分は悲しいんだな⇒どうして悲しいんだろう⇒そうだ、こうしてほしかったんだ⇒じゃーこうしてみよう
と『解決につなげる行動』を起こせるかどうかで、その気持ちもプラスに繋げることができるようになります。
絶対にゆらがない頑丈な根を張る心の木
ただ、「自分を認める」と言っても、そう簡単にできるものではありません。そこで、大きな大きな木を自分の心の中でイメージしてもらいました。
誰にでもものすごい可能性があります。可能性の木の枝はどんどん広げていくことができます。でも、いくら一生懸命色々なことを頑張って枝を伸ばそうとしても、根っこが育っていなければ、枝は伸びず、ポキッと簡単に折れてしまいます。なので、枝を大きく伸ばしたければ根っこをしっかり育てなければいけません。その木の根を育てるためには栄養満点の土壌が必要なわけですが、心の木の根を育てるためには「大丈夫」と思える心がその土壌となります。
何があっても大丈夫、どんなことがあっても大丈夫。「大丈夫」は、周りの人からいくら大丈夫だと言われても、自分で感じなければ、心の安定には繋がりません。そして、「大丈夫」とどーんと構えていられると、どんな気持ちも受け入れられるようになります。まずはここから。
大丈夫、と思えると、余計な力が抜けます。力が抜けると、冷静に考えることができ、本来の力を発揮することもできるようになります。
見えるところばかりに力を入れがちですが、まずは根っこをしっかり育てることが何よりも大切です。
瞑想をしながら、心の木に集中する
この「心の木」では瞑想を取り入れ、自分に立ち返る時間を入れています。心の中で「大丈夫」とつぶやき、自分の心の木を思い浮かべ、そして長くゆっくり口から息を吐きながら下に伸びていく根っこを、そして鼻から息を吸いながら、上に伸びていく枝をイメージします。1分でも30秒でも大丈夫。1日の中で、例えば寝る前など、ゆっくり心の木をイメージすることで、一日の色々な気持ちをリセットすることができます。
ただ目をつぶって深呼吸をするよりも、心の木をイメージすることで、子どもでも瞑想を取り入れやすくなります。
マス計算に挑戦!
そして1時間目の最後に、みんなで100マス計算に挑戦しました。鉛筆を持つ手とは反対の手にぐっと力を入れて計算をした時と深呼吸をしてからやった時。力が抜けている時の方が自分の力は発揮できる、ということを体感できたのではと思います。みんな、とても楽しみながら取り組んでくれました。
力を入れていると焦ってしまう、という感想を言ってくれた子もいました。
子どもたちからの感想
たくさんの子が感想文用紙にぎっしりと思い、感じたことを書いてくれました。全てご紹介したいものばかりですが、1時間目に関する箇所のものを一部抜粋してご紹介します。
- 私の期待をこえるようなきょうみぶかい話しばかりでした。その中でも、一番心に残っているのは「めいそう」です。心の中の小さな葉っぱに語りかけると心がおちついて気持ちよかったからです。だから、土日であった水泳の大会でもめいそうをしてみました。そうしたらベストを出すことができたので、これからもつづけたいです。
- なんでもあせっちゃう私にとって、すごくぴったりくる言葉でした。これからは何があっても大丈夫といっておちつきたいと思いました。
- 私は今日、この話しを聞いて、「たしかにそうだな」ととてもなっとくしました。それは、「がんばろう!」と思っても、心の木の根がしっかりとはっていないと、いくらがんばって育てても少しのことですぐに倒れてしまうということです。
- ぼくは大丈夫と思える気もちがたりないと思うから、木の土の部分となる大丈夫と思う気持ちを育てたいです。いつかはもっと大きくてりっぱな木になればいいなと思います。
- 自分は本当はどう思っているんだろう、自分は本当はどうしたいんだろうは、絶対忘れてはいけないということを知りました。
- 私は友達かんけいでつまずいたことがあって、自分の気持ちと向き合うにはどうすればよいか、なやんだことがありました。でも、今日のこうぎでどうすればいいか、しっかりわかったような気がします。
- 目をつぶった時、私はすごくリラックスができました。そして先生が、「心の木はあなたのもの」と言っていて、私は何かに気がつきました。何かとはよく言えませんが、心は自分を表すと分かりました。(中略)みんないろいろな木があって、その木を大事に思う気持ちがあるのが一番大切です。私は、この木を一生育てていきたいです。
「心の木」で伝えたいことを皆さんしっかりと受け止めてくれたことがとても嬉しく感じました。2時間目は、「幸せってどういうこと?」をテーマに環境問題にも触れながらお話しをしました。
<2時間目に続きます>
世界マザーサロン 永井佐千子
世界マザーサロンは心について学ぶ出張授業を行なっています
自分で自分の気持ちを理解すること、気持ちを落ち着けること、自己肯定感を高めることなどは、子どもたちが自分の人生を自分で生きていくために重要な力です。その力をつけられるように、世界マザーサロンでは、心について学ぶ出張授業「心の木を育てよう」を行っています。「心の木」では瞑想と東洋思想の教えを取り入れ、子どもたちが「自分の心」を感じながら、自分の未来を見つめる時間にしています。ご興味がございましたら、是非お気軽にお問合せください。