日本の1歳児、初の誕生日に「いっしょう」の重みを背負う

日本では、1歳の誕生日に一升分のもち米を使った丸餅を用意し、背負ったり、踏んだりして成長を祝います。東京に住むnaokoさんは、「背負い餅」でお祝い。一升餅の由来、意味を知ると、お祝いの気持ちが倍増するはず!(1歳までのお祝い行事については「日本の赤ちゃんのお祝いごと特集」をお読みください)

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鏡餅の由来は800年以上も昔に遡る!

お正月、初めての誕生日、長寿のお祝いなど、日本ではお祝いの時に丸い餅「鏡餅」を用意し、家族などで食す風習があります。
餅は神への供物とされていたため、古代日本で神聖なものと考えられていた「鏡」(三種の神器の一つ)を象徴していて、丸くなったといわれています。
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出典:ゆんフリー写真素材集 「お正月の石上神宮 拝殿」
平安時代には、すでに「鏡餅」の習慣があったそうなので、800年以上昔の人も同じようなことをしていたのですね!

まずはインターネットで購入!

その伝統に倣い、長男の1歳の誕生日には、一升分のもち米を6等分にした紅白の丸餅をインターネットで購入!はりきって名入れもしてもらいました。
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通常、1つの大きな丸餅を風呂敷でくるんでしょわせてあげるようですが、小分けでまとまらなかったため、リュックに入れての背負い餅に。詰めている時から「絶対持てない感」がひしひしと伝わってきて、一抹の不安がよぎるものの、ひとまずリュックのチャックを閉めます。
さあ、あとは背負うだけ!

一升餅=1.8Kg!!長男、背負って泣きました

当時8.5㎏の息子に容赦なく1.8㎏の餅を背負わせる両親。
あまりの重みにハイハイでなんとか逃げ出そうとする息子。
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「んー」「んー」とがんばってはみるものの…?
背中に乗っかったその重量から逃れられるはずもなく、予想通り数歩で行き倒れて、そのまま泣き出しました。

いっしょう=一升=一生

そもそも一升もの餅を用意するのは、「“一生”食べるものに困らないように」「“一生”丸く長生きできますように」という願いから。
そしてその餅を背負わせるのは「“一生”の重みを実感させる」ため。
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―こらえられないような重みでも、耐えられるようにということなんだね…。
親心にほろり。
果たして1歳児にそこまでの自覚が必要なのか!?とも思わずにはいられませんでしたが、行事本来の意味も味わいながら、みんなで微笑ましく見守ることができ、とても楽しい誕生会となりました。

一升餅、実家風味のお雑煮になりました

背負った餅は祖父母にも分け、アルバムと一緒に記念のお土産に。
大きな丸餅の場合、その場で切って、お祝いに来てくれた人たちに振舞ったりもするようですね。
我が家では、私の実家の味付けでお雑煮にしました。
すまし汁仕立てのつゆに、小松菜のみをたっぷり入れたシンプルなお雑煮です。
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名前部分を切るのがもったいなかったり、同じ味付けなのにいつもよりおいしく感じたり。
しみじみと温かさが広がる、感慨深い一食になりました。

転ばせることで古い魂を体から抜き出す!

昔は正月に一斉に年をとる「数え年」が一般的だったなか、1歳の誕生日だけは、それぞれ個別の「満年齢」でお祝いをしていました。
1歳まで生きることが難しかった時代、健やかに育って初の誕生日を迎えられることがいかに特別だったのかが窺えます。
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また、「早く歩く子は親元からも早く去る」と、餅を背負って歩けた子をわざと転ばせる地域もあるようですが、一方で「転ばせることで古い魂を体から抜き出して、餅に象徴される清らかで新しい魂を赤ちゃんに与える」という意味合いもあるそうです。

子どもの行事には学びがいっぱい!

子どもの行事をすると、昔の人の生活やそこに込められた想い、日本の文化や歴史にも自然と触れることになり、本当に興味が尽きません。
切なる願いだったり、駄洒落だったり、くすっと笑えるような心温まる逸話が多く、親が子に抱く想いはいつの時代も一緒なのだと感じさせられます。
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まだまだ子どもたちにその意味は理解できないかもしれませんが、みんなの優しい気持ちに囲まれて育ってきたことはきっと伝わるはず。
いつか、私たちがどのような想いでいろいろなお祝いごとをしてきたのか、ゆっくり話してあげたいなと思います。
【参考文献】
・永山久夫「日本人の「食」、その知恵としきたり」海竜社、2014年11月
・岩下宣子「赤ちゃん・子どものお祝いごとと季節のイベント」河出書房新社、2012年2月
・新谷尚紀「家族で楽しむ子どものお祝いごとと季節の行事」日本文芸社、2012年6月
一升餅本舗
naoko@Japan


一升餅は地域でやり方が違うのをご存知ですか。
1歳になったら一升餅!~福岡は背負わずに踏む!~/Japanもあわせてお読みください。
1歳までの行事が、どのような思いを込めて昔から今に至るまで続いているか、改めて考えてみませんか。
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