栄養満点!おふくろの味「味噌」を作ってみよう!/Japan

素早く作れて栄養化も高いお味噌汁。“朝ごはんの定番”というご家庭も多いのではないでしょうか。このお味噌汁、現在のように食卓にあがるようになったのは室町時代頃とのこと。改めて、味噌の効用と選び方、作り方を見てみましょう!

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米は時代や経済事情、階級、収穫によって左右されてきましたが、他の穀類が手に入らなくても、味噌があれば飢えを守り、健康を守ることができると信じられていました。そのためどんな飢餓のときも、味噌の仕込みだけは各家庭で欠かされなかったようです。

味噌の効用~江戸時代からその栄養価は認められていた!

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室町時代の台所の様子『酒飯論絵巻』(国立国会図書館所蔵)http://dl.ndl.go.jp/
「味噌汁は朝の毒消し」という有名なことわざがあります。「朝食のときの一杯の味噌汁は体にいいですよ」という意味のことわざで、味噌の栄養がいかに優れているかを表した言葉です。昔から味噌は医者いらずといわれてきました。
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江戸時代から味噌が親しまれている『味噌擦鬼木彫根付』 江戸時代 東京国立博物館 http://www.tnm.jp/
味噌の主原料である大豆は非常に優れたたんぱく質ですが、煮たり煎ったりでは消化吸収が悪いという難点があります。大豆を味噌という形で摂取することで、たんぱく質をより消化しやすい状態で取り込めることになります。
味噌には生命の維持に不可欠なすべての必須アミノ酸8種類と、ビタミン・カリウム・カルシウム・鉄などの豊富な栄養成分が含まれており、『本朝食鑑』(江戸時代の食の解説書)によると「血を生かして百薬の毒を消す」「消化をよくし閉塞を防ぐ」「元気をつけて、血のめぐりをよくする」等の効果があるとされています。
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『本朝食鑑』 江戸時代 東京国立博物館 http://www.tnm.jp/

科学的にも証明されている味噌の効用

科学的にもこれらのことは証明されてきており、味噌の効用に関する論文は多数あります。
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効用その1.コレステロールの上昇をおさえる。

味噌の原料である大豆に含まれるリノール酸と大豆レシチンには血中コレステロールの上昇を抑える効果があると言われています。

効用その2.血圧の上昇をおさえる

味噌には、高血圧防止ペプチドが含まれ、血圧を下げる効果があることが発見されました。
また、がん予防、特に胃がんや乳がんのリスクを下げることや発酵過程で老化制御機能が生まれるといったことも研究で明らかになってきました。
これらの生活習慣病の予防はもちろん、ご飯と味噌汁を基本に1汁2菜で整えていくことで多種多様な中からその時々で家庭に必要な食材を摂っていくことができます。
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味噌汁の塩分は高いのか??

味噌は塩分の多い調味料と思っている人がたくさんいますが、100g中の塩分含有量が多くても少なくても味噌汁として摂取するときは、塩分濃度は1%くらいとなります。
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また、問題となるのはナトリウムの摂取で、みそ汁の具にカリウムを多く含む緑黄色野莱や芋類、海藻類のワカメなどを組み合わせることで、ナトリウムの摂取を抑えることができます。

米味噌、麦味噌、その特徴は??

味噌を麹で分類すると、3つに分けられます。
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1 米味噌

豆に米麹を加えて作ったもので日本の生産の8割を占めます。成熟期間は、米麹を多く使っているものほど短く済みます。淡色系の米味噌では西京味噌、信州(長野)味噌が有名で、赤いものは仙台味噌、津軽味噌が有名です。それぞれ甘みが強かったり辛みが強かったりと個々に特徴があります。

2 麦味噌

大豆に麦麹を加えて作ったもので(別名:田舎味噌)、中国、四国、九州地方で生産されています。塩分が低く、麹を使う量が多いので香りも甘みも強い味噌です。

3 豆味噌

大豆を麹にして大豆のみで作ったもので、愛知、三重、岐阜の3県を中心に生産されています。熟成させる期間も長く、甘みが弱く渋みが強い、旨みのある味が特徴的です。
続いては我が家の味噌作りについてご紹介します。

毎年の楽しみ~わが家の味噌作り

毎冬、日にちを決めて味噌づくりをしているわが家。丁度10月に入り、冬に仕込み、夏を越した味噌が食べ頃を迎えました。大豆や麹の種類はもちろん、同じように作ってもちょっとした仕込み方の違いや発酵の仕方で味が毎年少しずつ異なるので、今年はどんな味かも楽しみの一つです。
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主原料である大豆は、健康への効果も大きい味噌だけに、信頼のおける物を選びたいですね。味噌に適した大豆は、同種の国産大豆で、粒が大きく、大豆の臍の色が淡いものがお薦めです!
他に用意するものは、重石は辞書や米等の代用でOK。味噌用の袋は都内ではスーパー等で扱っていないので、ネットで購入します。田舎の店にいくと、当然のように扱っているので違いが面白いですね!豆を潰すのは、フードプロセッサーも試しましたが、今はミンサーを使っています。量は一気にできませんが、潰し残しなくできるのでおすすめです。
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また、作り方では豆は2晩漬けたほうが煮やすいです。味噌作りで一番手間と時間がかかるのは煮ること。これ以外はイベントのように遊び感覚でできます。
味噌の作り方は色々なサイトで紹介されていますので、それらを参考にしながら、是非「我が家流」を作ってみてくださいね!
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家庭の味を大切にする

家庭それぞれの味を大事にすることで、子どもたちも味に敏感になってきました。具によって、全く違った味を出してくれるお味噌汁。「今日は何をいれようか」と会話しながら、味噌汁の具を子どもと一緒に切りながら作ってみるのもいいですね。
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【参考文献】
・みそ健康づくり委員会 http://miso.or.jp/
By saya
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