コンビニやスーパーに行けば、子ども向けのお菓子や、赤ちゃん向けに加工された離乳食などをあちこちで見つけることが出来る時代となり、現代の子どもたちは手作りのもの以外に、加工された食品を口にする機会もとても多くなっています。
赤ちゃん向けとは言え、原材料を見てみると添加物が盛りだくさん!!!本当に大丈夫なの?と思い、調べてみました。
出典:superfumifumi.blog62.fc2.com
一生に関わる3歳までの食経験
2012年に東京医科歯科大学の研究グループが小学1年生から中学2年生までの計349人を対象として、「酸味」「塩味」「甘味」「苦味」の4つの味覚を認識出来るかどうかの調査を行った結果、これらのいずれかの味覚について認識することが出来なかった子どもの割合は31%にも上ったという研究結果が発表されました。
この原因として、子どもたちの野菜摂取量不足や、ジャンクフードを好んで食べる食習慣等が指摘されています。
私たち大人の味覚傾向は人によって様々ですが、その土台は小さいころに作られています。「3歳までに培われた味覚が、その子の一生の味覚傾向を左右する」とも言われており、小さい頃どんな食べ物を子どもに食べさせるかに関し、お母さんたちはとても大きな責任を負っていると言えます。
味覚は生き延びるための必須能力
先述の「酸味」「塩味」「甘味」「苦味」は、人間が生きる上で重要な役割を果たします。
「酸味」は食べ物の腐敗を知らせ、「塩味」は私たちに必要な食べ物に含まれるミネラル分の存在を知らせ、「甘味」は私たちのエネルギー源となる糖の存在を知らせ、「苦味」は危険な毒の存在を知らせてくれます。
つまり、健全な味覚は、食べ物の毒や腐敗を私たちに教えてくれると同時に、私たちが優先的に摂取すべき栄養を含む食べ物を教えてくれる役割を果たすのです。この様に、味覚は私たちが生きていく上での必須能力なのですが、この必須能力である味覚の健全な発達を阻害するきっかけに、不健康な加工食品やジャンクフードの日常的な摂取が挙げられています。
味覚の発達はお腹の中にいる時から!
私たちが味を感知する時に使われる器官が「味蕾」で、これは赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいる妊娠7週目くらいから出来始めると言われています。人間の味覚システムは胎内にいる時から高度に発達し、それは出生後も続きます。
味覚はその発達の過程でどんな味のものを摂取していたかによって変化し、生後2~3か月で既に味の好みに個人差が出てくると言われています。つまり、赤ちゃんがお腹の中にいる時からお母さんが日常的に口にしていたものも、赤ちゃんの味覚に影響してくると考えられるのです。
始めはまっさらな状態である赤ちゃんの味覚。そこにどんな刺激を与えていくか(どんな味の経験を積み重ねていくか)で味覚は様々な方向に発達していき、個人差につながっていくのです。
加工食品やジャンクフードが味覚の発達に与える影響
味覚の成立過程はとても複雑であるため、様々な素材の味を経験させてあげること(様々な味の刺激を与えてあげること)が非常に重要。人は続けて食べていたものには安心のおいしさを感じるようになるため、日本国内で生活しているのであれば、手作りの和食の味を小さい頃からたくさん経験させてあげることが日本人の味覚を形成する上でとても大切ではないかと感じています。
しかしながら、小さい頃から加工食品やジャンクフードなど、味が濃いもの、添加物で味付けされたもの等を食べる機会が多いと、子どもの味覚はそれらの食べ物の刺激に慣れていき、段々と素材そのものの味や、手作りの味の刺激では物足りなくなってしまい、結果的にその味覚は加工食品などを自然と好む味覚へと発達していってしまうのです。
貧しい食事が与える影響は・・・
『貧しい食事が子どもに与える悪影響は、酒、ドラッグ、タバコの3つによる被害より深刻だ。』(デビィッド・カッツ医師、エール大学病院)という言葉があります。小さい頃からどんなものを食べるかは、味覚の健全な発達に必要不可欠であり、味覚の健全な発達を促す食事は子どもの健康に必要不可欠なものです。
日々の食事の積み重ねは、子どもの発達、子どもの未来につながります。我が家もこれから離乳食が始まります。安心できる手作り料理で、子どもたちの明るい未来を作っていきたいと思っています。
【参考文献】
・日経DUAL 2015年5月14日付記事 日本小児歯科学会の提言より
・スーザン・マーケル著『親子にやさしい自然育児』、草思社、2012年
By Kocchi
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・ドイツ人の食生活から学ぶこと、考えさせられること
・子ども達に安心安全な給食を!!~「遺伝子組み換え食材禁止」を公布~/Taiwan
・我が家の離乳食―中国、日本、タイ3カ国文化大衝突
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