子どもに牛乳は必要か(5)ひじきのカルシウム含有量は牛乳の14倍!~これからのカルシウム摂取を考える~/Japan

前回までの記事で、牛乳を学校給食等で毎日飲むことに関する疑問点を様々な視点から検証してきました。今回は、牛乳が私たちの食生活に欠かせないものという位置づけになっている理由として挙げられる、《牛乳はカルシウムが豊富である》という点について触れながら、これからの時代のカルシウムの摂取方法について考えてみましょう。

子どもに牛乳は必要か

牛乳を飲めば飲むほど…?

牛乳のカルシウム摂取の問題点
カルシウムは確かに子どもの成長には欠かせない栄養素の一つ。ですから、《カルシウムが豊富な牛乳を毎日飲んで、丈夫な骨を作りましょう》などと指導されます。しかしながら、牛乳からのカルシウム摂取に関しては、次のような問題点が指摘されています。
まず一点目に、牛乳に含まれるカルシウムは、カゼインというタンパク質と結合して存在しているものがほとんどのため、人間には吸収しづらい形になっているという問題点があります(参照:子どもに牛乳は必要か(3)~牛乳摂取をやめたら自閉症が改善した?!~
牛乳の成分がカルシウムを奪う?
二点目は、このカゼインと結合したカルシウムは、体内で吸収されづらいため、肝臓に行き、無毒化されます。そこで尿素に転換されるのですが、その際血液が酸性に傾くため、その血液をアルカリ性に戻そうと体内のカルシウムが逆に使われてしまうのです。
つまりこの時に、身体の中に最も多くカルシウムが存在する場所が骨であるため、骨からカルシウムを溶かし出して使おうとするのです。カルシウムを摂取するために飲んだ牛乳が、カルシウムを身体から奪うことにつながってしまうという、大きな問題点です。
牛乳のリンがカルシウムを減らす?
さらに三点目は、牛乳にはリンがたくさん含まれているという問題もあります。リンは骨にあるカルシウムを溶かし、そのリンと同量のカルシウムと結びついてリン酸カルシウムを形成し、体外にカルシウムを排出させてしまうのです。この点においても、カルシウム摂取のための牛乳が、実は体内のカルシウムの減少につながってしまうことが分かります。

日本の伝統食こそ、カルシウム摂取に最適!

日本人は歴史的に乳製品を摂取して繁栄してきた民族ではありませんでした。日本人は乳糖不耐症の人が9割近いので、ほとんどの日本人が牛乳を上手く消化することが出来ないのです。
更に、牛乳に含まれるカゼインタンパクと発達障がいなどとの関連性、そして体内のカルシウム減少――。
日本人はカルシウム摂取に牛乳は不向き?
これらの点から判断すると、カルシウム摂取のために牛乳を毎日飲むということは、非常に非効率的でかつ、アレルギーや精神疾患の発症などの危険性も高まる可能性があるため、少なくとも日本人はカルシウム補給に関しては牛乳以外の食品を中心に据えて考えた方が賢明だと思われます。
実際、牛乳以上にカルシウムを多く含む日本食の食材は多くあります。例えば、牛乳と他の食品のカルシウム含有量を同量の重さで比較した時、ひじきは14倍、わかめは7倍、ゴマは10倍、切干大根は5倍、大根の葉は2.5倍、などとなっています。
ひじきなどの伝統食がカルシウム摂取に最適

伝統的な食材を日々の食事に上手に取り入れよう!

この様に日本食に使われる伝統的な食材はカルシウムを多く含んでおり、かつ私たち日本人が昔から慣れ親しんできた食材ですから、カルシウム補給という点で考えるのであれば、これらの食材を上手く献立に組み合わせてカルシウム摂取につなげた方が日本人にとっては牛乳を毎日飲むことよりも遥かに自然ではないでしょうか。
日本の伝統食でカルシウム摂取を
今回、5回にわたり牛乳摂取の必要性に関して考えて参りました。是非、お子さまが学校給食で《毎日》牛乳を飲むことに関し、一度皆さまご自身でもその必要性を考えてみていただけたら幸いです。私は、《牛乳は強制されてまで飲むべきものではない》と今も昔も変わらず思っております。
【参考文献】
内山葉子『子どもの病気は食事で治す』評言社、2015年。
内海聡『子どもを病気にする親 健康にする親』マキノ出版、2014年。
フランク・オスキー『牛乳には危険がいっぱい?』東洋経済新報社、2003年。

By Kocchi


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