日本の水道水は、蛇口をひねって直接飲めると聞きました。これは私達上海人にとって本当に羨ましいことです!中国全土では水道水は直接飲めず、さらに上海の水道水は「臭」という名で知られています。
上海の水源は黄浦江
上海以外からきた友達の多くが上海の水道水の味について大体同じことを言います。上海で生まれ育った上海人は、それが普通なのでよく分かりませんが、浄水を飲んで比べてみるとよく分かります。“消毒水(塩素)のにおい”です。
上海の街並みと黄浦江
上海では2011年より以前に使用していた水源は黄浦江の水でした。外灘に遊びに行ったことがある人は、黄浦江を見て水が汚れているということはすぐ分かると思います。
そして水質が悪いために消毒する過程で多くの消毒剤(塩素)を入れなくてはいけません。それだけでなく、水源はアンモニア窒素と藻類汚染の影響を受け、塩素臭のある物質が発生しやすくなっています。そのため2011年より以前は塩素のにおいが強く、そして現在でも郊外の一部では、水道水を飲むと塩素のにおいを強く感じることがよくあります。
塩素臭のある水は飲めるか飲めないか?
塩素は刺激の強いにおいがします。水1リットル中の塩素の含有量が2mgを超えると、多くの人が塩素のにおいに気付くと言われています。
我が国の水道水に関する国際生活飲用水衛生基準によると、水道水の残留塩素の含有量が1リットルにつき4~0.3mgの範囲内であれば合格としています。つまり上海の水道水は、少しにおいはあるが決して有害ではなく、直接飲めないにしても、少し処理をすれば問題ない、ということです。例えば、お湯を沸かせば飲めると言われています。
2011年、ダム建設により水質は大幅に改善
2011年以降、上海は青草砂のダムを使い始め、これにより上海の水道水の水質は大幅に改善されました。
青草砂ダムは、長興島の北西方面沖積砂州青草砂にあります。青草砂は大量の良質の淡水を保有し、2006年に上海市政府は上海の水源地とするため、青草砂に建設することを決めました。
これにより上海の80%以上の水道水の水源が黄浦江から変わり、その水質は国家Ⅱ類の基準まで到達するよう要求されました。ちなみに、もともと黄浦江の水質は国家Ⅳ類の基準でした。
地下水の水質分類は5種類
わが国の地下水は、生活飲用水、工業用水、農業用水の水質として、5つに分類されています。
Ⅰ類
地下水の化学成分が天然で且つ含有量が低い。いろいろな用途で使用可能。
Ⅱ類
地下水の化学成分が天然によるもの(含有量はⅠ類より高い)。いろいろな用途で使用可能。
Ⅲ類
人体への健康基準値に基づく。主に集中式生活飲用水の水源、および工業用水、農業用水となる。
Ⅳ類
農業用水、工業用水の基準値に基づく。農業用水と工業用水の一部以外では、加熱処理後、生活飲用水として使用可能。
Ⅴ類
飲用には適さない。使用目的を選んで、飲用以外に使用可能。
我が家の飲用水
インターネットでは、上海の水道水に対して批判的な意見がありますが、我が家では、まだ水道水を沸かして飲用しています。水質が現在のものに及ばない時から、私達は沸かした水道水を飲んで大きくなってきたのですから。
現在の水質が大幅に改善されていることは言うまでもありません。そしてここ数年、上海の水道水の浄化技術は大きく進歩してきました。
飲用水の安全性が心配な場合は浄水を購入しに行けばよいのです。どのように水質の安全を保証するかを考えることも良いですが、私達はまず、一人ひとりが工業汚染を減らすことを考える方が有益ではないでしょうか。
《参考資料》
・https://www.zhihu.com/question/38145704/answer/75092913
P@China
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