皆さん、「菜食」と聞くとどのようなイメージがありますか?健康、動物の権利、温暖化、エコロジーなどなど色々出てくると思います。
菜食を選択する理由は人それぞれですが、マレーシアの中国系・インド系のベジタリアンやヴィーガンの方は「宗教のため」と答える方が多くいます。インド系の方々のベジタリアンへの想いは誰よりも深く、一ヶ月の中で「ベジタリアンの日」が宗教で決められてもいます。
マレーシアで採れた新鮮野菜
今回は、マレーシア人がどのように菜食を理解し、実施しているかについて書いてみたいと思います。
ヴィーガン、無五葷ヴィーガン、ベジタリアンの違いとは
ヴィーガン
『ヴィーガン』とは、動物性の食事を一切摂らず、また、生活の中でも動物性のものの使用を避ける方を指します。蜂蜜も利用しないというのが一般的ですが、五葷(玉葱、葱類、大蒜、韮、ラッキョウ)は野菜と同様に食べています。発酵したお酒やワイン、料理酒も使っています。
無五葷ヴィーガン(全素)
『無五葷ヴィーガン(全素)』とは、五葷を利用しない料理方法で、さらに宗教によりお酒も禁止しています。
ベジタリアン
そして、ベジタリアンの中には、肉や魚は食べないが、卵を食べたり、乳製品を取ったり、と色々な考えの方がいますが、自然環境や動物達への負荷が大きいということが理解されはじめ、ヴィーガン、無五葷ヴィーガン(全素)が増えてきました。
マレーシアの「路辺素」
ただ、マレーシアでもまだベジタリアン料理がどこでも食べられるわけではありません。マレーシアは海に囲まれているということもあり、シーフードが簡単に手に入ります。そのため、海岸地域ではベジタリアンは探しても一人いるかいないかぐらい。
そういったエリアに仕事や用事で行かなければならない時、ベジタリアンの人々は自分でお弁当を持っていくか、足りない時は果物を買うというのが一般的です。でも、レストランで食べざるをえない場合は、注文した料理の中に入っている肉や魚を食べずによけて食べる、という方もいます。これを「路辺素」と呼んでいます。
九皇大帝~旧暦の9月1日から9日までは菜食祭り~
旧暦の9月1日から9日まではマレーシアの大事なお祭り「九皇大帝」があります。これは東南アジアの華僑にとって旧正月の次に大きなお祭りで、この期間は家族みんなが無五葷ヴィーガン食をいただき、身体や精神を綺麗にしなければなりません。
お酒、ギャンブル、性行為もいけません。また、ヴィーガンの生活習慣ではない家族が家で料理をする場合、料理道具は全て新しく菜食専用道具に替えなければなりません。
更に女性が生理期間中の場合は、お寺の中に入っても一切ものに触ってはいけない、とされています。男女差別?とも思わなくもないですが、これは代々母親から子ども達へ言い伝えられてきている言葉です。
お寺ではボランティアの方が無五葷ヴィーガン食を作って無料提供し、お店や売店でもこの9日間はヴィーガン食を販売しています。朝ごはんから夕食まで、外食でも買い物でも、この期間は菜食のものを簡単に買うことができる、とても賑やかな9日間です!
旧暦の初一、十五の無五葷ヴィーガン日
更に、マレーシアでは旧暦の初日と15日は無五葷ヴィーガン料理を食べるという華僑の方が多くいます。外の売店では朝6時半から菜食メニューを用意している、というのが日常的な光景です。
マレーシアの様子、いかがでしたでしょうか。多くの人々は、ヴィーガンを理解し、実行することで、より良い世の中になっていくことを心から願っています。次回もマレーシアのヴィーガンライフについて、お届けしたいと思います。
第2弾「出産からベビーシッターまで!安心のベジタリアンの子育て環境/Malaysia」はこちらよりお読みください。
VeggieChew@Malaysia
・イタリアの美味しく、美しいベジタリアン・ライフ
・ドイツ人の食生活から学ぶこと、考えさせられること
・これからの地球と食べ物を考えよう!~親子Vege Cookingのご報告~
・動物性・グルテンフリーの絶品ショートケーキ講座!(八ヶ岳イベント報告 その3)
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