至るところにタイ国王の像が―。国王に対する敬愛の念がここまで強い国はなかなか無いのではないでしょうか。即位して既に70年。国王を敬愛するタイの様子が届きました。 (2016年7月2日)
6月9日はタイ国王即位70周年記念日。この日はタイ国中が黄色一色に染まりました。なぜなら、多くの国民が自発的に国王の色である黄色を着ていたからです。この即位を記念して、6月5日から9日までは、お祝いのため全国がお休みになります。
タイ国王と言えば、タイ人の心の中では唯一無二の気高い存在であり、それは、祝日だからではなく、毎日の日常生活の中で感じ取れます。
勤勉で、国民を愛する国王
プーミポン(ラーマ9世)は、1946年に王位を継承し、以来70年間在位しています。これはタイの歴史上、および現世界で最も在位の長い国王です。国王の正式名はプーミポンアドゥンラヤデートであり、意味は「大地の力、並ぶ事なき権威」です。
プーミポン国王は、お金持ちに生まれて裕福な暮らしをしているのではありません。彼が即位してから60年間、彼はタイの辺鄙な場所の隅々まで訪問しました。彼は王室の経費を使って、水利を建設し、御苑内に実験用の田んぼを作り、水稲を植えるなど、様々な活動をしてきました。
(タイ東北部の寺院の国王と王妃の像)
そのほかにも、彼は7ヵ国語に精通し、音楽、運動、絵画、カメラ分野でも専門知識を持っています。
このような勤勉で、国民を愛し、学識もあり、多才多芸、事業に熱心な国王は、国民の敬愛を受けてきました。
日常生活にも敬愛の念が
タイの国王像は全国各地に建立されています。道路沿いにも、ビルの中にも、銀行や政府組織のオフィスにさえ多くの国王像があります。
毎日朝8時と午後6時に、テレビ局や駅など公共の場所で、国王の《国王賛歌》が流れます。この《国王賛歌》が聞こえてきたら、全員、足をとめ、やっている事をやめ、起立、帽子を脱ぎ、国王への敬意を示します。
私が最初にタイに来た時、駅で全員が歩くのをやめ、静かに《国王賛歌》を聞いているのを見てとても驚きました。私が子どもの時、学校でも国歌が聞こえたら、手をとめて起立し、敬意を払わなければならないと習いました。でも、残念なことに、30年生きてきて、公共の場で国歌が聞こえたからといって立ち止まる人を見たことがありませんでした。
タイに来て一番びっくりしたのは、映画館です。映画が始まる前に必ず《国王賛歌》の録画が放映され、誰もがみんな起立をし、静かに曲が終わるまで聞いています。歌い出す人も少なくありません。一外国人の立場から見たとしても、《国王賛歌》の録画映像は国王の今までの成長と功績であることは明白で、とても感動します。私も心の中に尊敬の念が生まれてくるのを抑えられませんでした。
民主国家に属している方達には、このような様子は理解しがたいものでしょう。短期旅行客も、理解するには難しい光景でしょう。タイは立憲君主制の民主国家ですが、国王と王室に対しての愛は天下無双のものです。プーミポン国王の言動と功績は、国民の心の中にある国王への愛情の土台となっています。
By yuki@Thailand
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