爆発的流行!腸ウイルス
夏が近づくと同時に、台湾では多くの親が最も恐れている腸ウイルス感染が爆発的に流行し始めています。 腸ウイルス感染症の中で、71型は特に重症になりやすいもの。
先日、台湾にある疫病感染署は、一週間の腸ウイルス感染による診察患者が2万人に達したと発表。その中には、生まれてすぐに感染したとされる男の子までおり、親は精神的に休まりません。決して人ごとではないのですから…。
感染を予防するためには?
大切な我が子を守るため、どのように感染を防いだらよいのでしょう。 腸ウイルスは、アルコール消毒では死滅しません。このウイルスには、亜鉛素酸ナトリウム水溶液(以下、漂白水)がたいへん効果的と言われています。腸ウイルスを弱らせることができるからです。
以前から台湾政府や病院は、希釈した漂白水(10リットルの水に100ccの漂白水を入れる)を使って、居住環境を掃除するように指導もしています。
子どもの免疫力低下に警鐘。研究による過度の消毒の是非
しかし、最近ベルギーのルーヴァン・カトリック大学の研究で、漂白水の使用頻度は子どもの免疫力に関係があると発表しました。研究調査対象は、オランダ、フィンランド、スペインなどから抽出された50校の学校に在籍する6~12歳の子ども 合計9000人。
この研究によると、両親が漂白水を使うと決めている家庭では、子どもの免疫力は明らかに低くなり、また漂白水の化学薬品により子どもが風邪をひく確率は、使用していない家庭に比べて20%、扁桃腺炎にかかる確率については35%も高くなることが分かりました。
自分や家族を守れるのは、自分たちの意識
このような結果が明らかになっているにもかかわらず、台湾の医師は慎重に経過観察しながら研究しなければならない、と言っています。 漂白水の使用の有無と気道感染の罹患率は、関係性が深いことは明らかなはず…なのに。
でも、漂白水と気道感染の明らかな「因果関係」を証明しているわけでもないのかもしれません。 子どもが先天的にもっている体質が弱いことや、汚い環境で漂白水を多く使うことなどが関係しているのか、どうなのでしょうか。
生態系のバランスも大切
病気の比率が上がる原因を漂白水だけのせいにするのは公平ではない気もします。ただ、漂白水のにおいや刺激、過度の使用は気道の病気にかかりやすくする可能性があるのではないかとも思います。
私たちは病原菌の予防として掃除用品、消毒用品を使用する時、もっと生態系のバランスについて考えなければならないのかもしれません。過度の消毒は必要な微生物の環境を壊すことさえあるかもしれないのです。あまり神経質になり過ぎず、手洗いうがいを心掛けていくのが一番なのかもしれません!
By Eva Huang@Taiwan
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