なくてはならない「キャッサバ」!
今年のThe World’s Mother Salonのテーマが「食」ということなので、私もモザンビークの「食」について書きたいと思います。
アフリカ=暑い!料理=辛い!というイメージはありませんか?
確かにアフリカの中にはイメージそのまま!という国もありますが、残念ながら?モザンビークは暑さも我慢できる程度、料理も辛くありません。モザンビークの食事を語るのに無くてはならないものは「キャッサバ」というお芋です。日本ではあまり馴染みのない植物ですが、タピオカの原料です。モザンビークでは葉も芋もすべて食べます。
葉の部分は海老とピーナッツの粉、ココナッツミルクと煮込んでシチューに、芋の部分はふかして食べたり、粉状になったものを「シーマ」といって(別の国ではウガリとも呼びます)、お湯で練り上げお餅のようにし、ごはんの代わりに食べたりします。ふかしたキャッサバはサツマイモのような甘さとモチモチした食感になり、私はその食べ方が一番好きですが、芋の外皮に毒が含まれるそうで、毒抜きが必要らしく、自分で調理したことはありません。キャッサバは茎を地面に刺すだけで育ってしまうそうです。乾燥した土地には最適の作物といえます。
キャッサパで作ったシチューのことを「マタッパ」と呼びます。
(こちらのマタッパは高校生の寮で出た晩御飯です)
マタッパはキャッサバの葉を杵と臼でつき、ペースト状にしたものを使います。鮮やかな緑色のペーストは見るからに栄養満点です。そこにピーナッツ粉やココナッツミルクを加えるわけですから、ビタミン、ミネラルや鉄分も十分。最後に海老などのたんぱく質を加え、ご飯によそえば一皿で完璧な食事になります。初めて見たときの印象は・・・正直「未知の国の未知な食べ物」でしたが、一口食べてびっくり。とても美味しかったのです。
変わりつつある食の好み
同年代の現地の友人からは「マタッパは栄養もたっぷりでモザンビークを代表する食事だよ!」と教えてもらえる半面、若い子からは「好きじゃない・・・」と言う言葉も。では何が好きなのか?とたずねると、やはり「ピザ」「ステーキ」「フライドポテト」「パスタ」「ハンバーガー」etc。どこの国も同じだな~としみじみ思ってしまいます。友人の娘は親が食事を用意していてもそれを食べず、自分の好きなようにフライドポテトやフライドチキンを料理して食べてしまうそうです。
(モザンビークの数少ないレシピ本)
戦後まもなく生まれた母を持ち、味噌汁に切り干し大根、ひじき煮で育った私も、ポテトやパスタが大好きだけれど、やっぱりそれだけでは生きられない。モザンビークには味噌としょうゆを持参して、毎日、朝昼晩いずれかに和食を食べずにはいられません。モザンビークでも若い人たちが伝統的な「お母さんの味」を食べる機会が少しずつ無くなってきているのは寂しいことだなと思いました。
totuku@Mozambique
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