ごみの増加とその処理方法は、私たち一般家庭を悩ます問題であるだけではなく、人口の増加に伴い、近年各国の政府を悩ませている問題となっています。ご馳走だったものが、一分後にはごみになってしまう・・・飲食の文化や会食の習慣により、厨房から出る生ごみのその量の多さは、中国特有の問題となっています。
中国の食卓での食材の浪費は驚くべきものであり、毎日多くの生ごみを出しています。統計によると、2014年北京の生活ごみの総量は733.8万トン、そのうち生ごみは95.9万トンを超え、全体の12.9%を占めていました。
生ごみ処理に使われている面積は約67万ヘクタール!
生ごみは有機物と水分を多く含み、腐りやすく、病原生物やマイコトキシン(カビ)が発生しやすくなるなど、衛生上劣悪な影響を与えます。
一方、中国農業部によると、生ごみに含まれる大量の栄養物質の主な成分は油脂とたんぱく質であり、とうもろこしや脱脂大豆などはバイオディーゼル燃料に適する原料にもなるようです。
試算によると、もし中国で一年間に排出される生ごみを全て利用することができれば、1,000万ムー(土地面積の単位。1ムーは6.667アール)の耕地が節約できるとも言われています。それだけ広大な敷地がごみ処理に使われているわけです。
生ごみの埋め立てによる地下水汚染の影響も
中国では現在、生ごみと生活ごみはほとんどが混合で集積され、昔からの方法による焼却や埋め立てで処理をされています。埋め立ては場所を取るだけではなく、汚水が地下にしみこみ、地下水を汚染する可能性も指摘されています。
なんと、中国全土の90%の地下水が既に汚染されていると言われています。ごみの埋め立てだけが原因ではありませんが、地下水汚染と健康への影響も中国の大きな問題となっている今、ごみ処理についても真剣に考えなければいけない時にきています。
(出典:中国能源網 中国地下水污染严重治理需要1000年)
http://www.cnenergy.org/hb/201701/t20170110_411158.html
一般家庭のごみ処理状況は?
では、一般家庭ではどのように処理がされているでしょうか。日本とは異なり、中国ではごみの分類は強制されていません。ここ最近、ごみの分類に関する宣伝が増えてきていますが、現実的には全てのごみをまとめて捨てています。日本と比べたら相当気軽です。
ごみ置き場は、それぞれの居住小区内にいくつか設置されています。どのごみ箱に捨てるかは全て自由!ごみ収集車は深夜から明け方の間の決まった時間にごみ集めに来るため、住民の生活への影響をできる限り少なくしています。
このようなごみ処理方法はとても便利ですが、生ごみが分別されずに捨てられているため、ごみ箱の周辺には汚水や臭いが漂っていることもよくあります。
大人がまずは子ども達の見本に
生ごみの無害化処理に向けて、中国政府は積極的に投資を行っています。しかし、莫大な人口を考慮すると、私たちは、どう処理するかと併せて、どうやって生ごみの発生をおさえるかを根本的に考え直さなければなりません。
学校でも、環境教育がされています。居住区内の環境を大切にする、ごみはごみ箱へといったことも教えられますが、まずは私たち大人から実践し、見本とならなければなりません。
外食を減らし、家庭で無駄のないように調理をする、できる限りごみを減らす、ということを一人ひとりがもっと意識をしていくことが、地球を守ることに繋がっていくはずです。
【参考資料】
・2014年全国大、中都市個体廃棄物汚染環境防止年報
・劉卓宝 世界を恐怖させた狂牛病2001年
・新聞杭州オンライン http://www.lygnews.com.cn/news/gc/59406_2.html
By yuki@China
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