できることなら農薬は避けたい!!
「中国の農薬の残留基準は欧米日本の基準と比べて緩い」と言われたり、一方、日本では「日本の基準はさらに緩い」と言われたりしていますが、実際は、農薬の残留基準の制定は、食品の安全確保だけではなく、それぞれの国が農作物の輸出入を守るための一つの手段となっている場合もあります。
(農薬の残留基準に関しては、農業部のインターネットサイトに出ています)
http://www.moa.gov.cn/
このように国が基準を決めてはいるものの、私たちはテレビや新聞で、農薬が基準値を超えているという報道をよく目にします。ママ達は自分の子どもへの影響から、できることなら自分で有機農業を始めて、後のトラブルを少なくしたい、とさえ思っています。
一方、こうした状況に応じて、色々なブランドの野菜用洗剤が中国では売られるようになりました。
野菜用洗剤の安全性は?
では、野菜用洗剤を使ったら安心なのでしょうか?
2015年11月《消費者ニュース》では、野菜用洗剤のテスト報告がはっきりと示されていました。対象となった9種類の洗剤のうち、1つは不合格。野菜を洗浄する有効成分が標準値に達していませんでした。また、洗浄した後、洗剤の成分が残留していなかったのは、たったの1つだけでした。
この結果から言えるのは、合格率はわずか10%。もしママ達が不合格の洗剤を使ってしまったら、本来は農薬を洗い流して、より安全に食べたいのに、洗剤による二次汚染を引き起こすことに繋がってしまうのです。
野菜用洗剤は浄水に及ばない?
2010年の《食品と化学毒性》という雑誌では、ベルギーの学者が野菜の農薬残留を除去する研究についてまとめたものの要約が発表されました。ゆでる、皮をむく、油で揚げる、洗い流す(他の処理と組み合わせる)のが、最も有効的な手段であると書かれていました。
ただ、水で洗い流す場合、表面の農薬は除去できますが、皮の中にしみこんでしまったものに関しては手に負えません。だいたいのところ、主要成分は表皮内にあるため、皮をむくのはとても有効的な手段です。
例えば、じゃがいも。これは皮をむけば、70%以上の残留農薬を除去できます。
つまり、できるだけ浄水でしっかり洗い流し、皮をむけるものなら皮をむく。そして更に加熱処理をする、というのが効果の高い農薬除去方法――
とのことですが、これで栄養はしっかり取れるのでしょうか??
偽物の有機作物まで!!
飲食の安全意識が高まり、多くの人が有機野菜や有機果物に関心を寄せるようになりました。有機野菜は、農薬や肥料を使わず、肥料は有機肥料だけを使用し、人力で除草、除虫を行い、植える方法です。
これであれば、できる限り捨てることなく、しっかり野菜の栄養を取り込むことができるようになります。
しかし、ここで問題が!市場には多種の有機野菜がありますが、これらは本当の有機なのかどうか、ということです。
国内の有機野菜には、専門的な認証組織が支給した有機のラベルが貼ってありますが、偽物を作る人が多く出てきました。もし、高いお金を出して、偽物の有機食物を買ったら、割に合いませんよね。
有機作物は安全ですが、高値です。伝統作物は農薬の基準値超えというリスクがあります。「安くて本当に良いもの」というのは、なかなか難しいのが現実。
でも、巷のニュースを盲目的に信じるのではなく、もっと自分の舌と知識に基準を置き、本質を理解し、自分の選択に合うより多くの、より良いものを選択できるようにしていきたいな、と思います。そして、子ども達には本当に安全なものを食べさせてあげたいと思っています。
By yuki@China
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