上海のナンバープレートの価格は6年で6倍の値上がり、手に入れることができるのは希望者の4.6%
上海では2000年から自動車台数をコントロールし始め、ナンバープレートを制限するためにオークション形式が採用されました。これにより数量はコントロールできましたが、価格は上がり続けています。
2016年4月の上海のナンバープレートの平均落札額は85,127元(売り出したナンバープレートは11,829枚)。16年前の2000年の年平均落札価格は14,416元(売り出したナンバープレートは14,000枚)でした。データ上では、この6年で、ナンバープレートの数はほぼ変わっていませんが、価格は6倍も上がっています。
近年の生活水準が上がったことによって、車を購入する人数もうなぎのぼりです。2016年4月にオークション参加人数は新記録となり、256,897人でしたが、そのうち、24.5万人がナンバープレートを落札できませんでした。上海の規定では、車を購入した時の領収書がないとナンバープレートのオークションに参加できないので、24.5万人が新車を持っていても、運転できないということになります。
25万人もの人がパソコンの前に座って、1万元を超えるナンバープレートを争い、成功率はたったの4.6%。宝くじを当てるのと同じぐらいの確率です。
ナンバープレート購入者は新婚夫婦と子どもが生まれた家庭
上海のナンバープレートを手に入れることはこんなにも大変なわけですが、なぜ、それでもそんなに多くの人が買えるのでしょうか?どのような人なのでしょうか?
一つ目は新婚夫婦、二つ目は子どもが生まれた家です。
2011年に上海で結婚の登録をした人は11万組。毎月平均1万組近くが登録していることになります。そして2012年の1年間で誕生した新生児は24万人近く。毎月平均2万人の赤ちゃんが誕生していることになります。
人口増加により交通機関は連日大混雑
中国人は結婚する時、最大の要求として家と車を挙げます。もし新婚の時に車を購入しない選択をしても、妊娠時に購入します。条件が変わるだけで、車を購入することに変わりはありません。
上海は現在、16本の地下鉄のほかに、1257本のバスがあり、相当便利ではないかと思います。それでも、なぜ車を購入する必要があるのでしょうか?
上海の人口は2012年にはすでに2300万人を超し、地下鉄もバスも、どちらも尋常ではないぐらい混みます。
満員の地下鉄では、妊婦さんにとっては非常に危険です。たとえ誰かが座らせてくれたとしても、満員電車はとてもつらいものです。妊娠の初期段階では妊婦さんであることも分かりにくいため、席を譲ってもらえません。そのため、電磁波遮断防止服を着て、地下鉄に乗る妊婦さんもいます。電磁波から身を守るためではなく、「私は妊婦です」と表明するためです。
妊婦、赤ちゃんに優しい世の中に
赤ちゃんが産まれると、赤ちゃんにおっぱいをあげたり、おむつを替えたりと、さらにプライベートな空間が必要になってきます。地下鉄もバスも、ママと赤ちゃんが休憩できるような休憩室はありません。そのため、自然と自家用車が選択肢のトップになります。
実際は、環境保全を提唱する若者がどんどん増えてきていて、外出する時に徒歩や自転車を選ぶ人も少なくありません。ところが、結婚して子どもが産まれると、現実には負けてしまうのです。
公共交通機関に母子専用車両や母子専用休憩室があれば、もっと多くの人が自家用車ではなく、公共交通機関を選択するのではないかと、私は信じています。高額な買い物をしなくても、心地よく過ごせる環境になってほしいと願っています。
By yuki@China
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