「パッチワーク家族」とは、キルトのパッチワークから名付けられ、いろいろな家族が一つ屋根の下で一緒に住む、というスタイルです。実際に、2012年にドイツで3か月ホームステイしたときお世話になった家族が、まさにパッチワーク家族でした。
奥さんは、長女、長男、次男の3人の子どもがいますが、全て父親が違います。この3人の子どもを連れて、現在のご主人と結婚しました。ですので、ご主人の実の子ではないのですが、本当の子どものように接し、家族で生活しています。この家族は、ご主人に連れの子どもがいない場合ですが、ご主人にも元奥さんとの間の子どもがいて、その子どもを連れて再婚する場合もあります。
「結婚」という形に意味はない?!
「パッチワーク家族」は、オーストラリアでもドイツでもたくさんいます。子どもへの精神的配慮をしている学校もあるくらいです。また、結婚の形式をとらずに、パートナーという形で家族となり、子どもがいる家庭もたくさんあります。ドイツ人はよく言います。
“結婚という形式に意味はない!”と。
ドイツの子ども手当の支給を請求する際に記入した書類にも、子どもはあなたの実の子どもかどうか、という質問欄がありました。もちろん、本当の子どもでなくても家族として一緒に住んでいれば、子ども手当を請求できます。
何年間一緒に住んでいるという期間を記入する欄もあります。時々街でも、ご主人もお母さんも西洋人なのに、子ども3人のうち1人がアフリカ系の顔をした子どもがいる、というケースを見かけます。養子として、家族に迎え入れているのでしょう。
「幸せな家族」のあり方は色々
西洋社会では離婚率も多いですが、結婚という形式も自由、且つこだわりもありません。愛情がなければ終わりという、あっけらかんとした雰囲気があります。日本ではまだ、そこまでドライには割り切れない状況にあります。日本の会社では離婚をしていると、男性は信用されない雰囲気もいまだに残っています。オリエンタルな物の考え方では、家族は多いほうがいいという考え方も残っています。
しかし、欧州をはじめ、西洋世界では、子どもは自分のやりたいことのために、好きな国や都市に移り住むことが普通。18歳になると自立して生活をしていくため、ひとりで暮らしている高齢の方も大勢います。現在私が住んでいるベルリンでも一人暮らしの高齢者が多く、昼間には一人で散歩して、カフェに立ち寄るご老人方も多く見かけます。でも、足腰さえ丈夫であれば、ひとりでも毎日を充分に楽しむことできるのです。
家族の形はいろいろありますが、どれが良いとか悪いとかではなく、その時の状況にあわせて、自由に選択できることが望ましいですね。家族の形が西洋的であっても、東洋的であっても良いわけです。法律や風習、しきたりにしばられず、一人ひとりが幸せに生きていきやすい環境を考えていけると良いなと思います。
iolley@Germany
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