各国のスポーツ選手は皆、努力をし、自分の夢を実現させ、どの試合も素晴らしいものを見せてくれました。
8月12日、中国の柔道選手ウ・ショウは銅メダルを獲得しました。試合が終わった後、ウ・ショウは声にならない声で泣き、金メダルを獲れなかったと、全員に謝罪しました。
選手は自分のために力を発揮するものですが、期待されていた成績が取れなかったと言って泣く場面は実際多く見られます。しかし、このために皆に対して謝罪するのは、とても心が痛むものです。
1位を求められ続けてきた子ども時代
泣いているウ・ショウを見ていて、思わず私達の子どもの頃を思い出しました。多くの人が経験のあることではないかと思います。
テストの後、家に帰り、喜んで両親に成績表を見せます。
子ども:「90点取ったよ!」
両親 :「1位の人は何点だったの?」
子ども:「100点・・・」
両親 :「他の人は100点取れるのに、どうしてあなたは90点なの?何がそんなに嬉しいの?」
そして、1位の人だけが喜ぶ価値のあるものなのだと、子ども達の心の中に刻まれます。
2位や3位は、がっかりさせ、失望させるだけのものだということも。
好き!の気持ちが「親のため」になっていませんか?
スポーツ選手が「謝罪」する時の気持ちがどのようなものなのかは分かりません。こうした舞台と勉強の成績の評価は違うかもしれません。でも、スポーツであろうと、勉強であろうと、より良い成績を取りたいと思うのは当たり前のこと。
両親の「1位以外はダメだ」という態度は、子ども達にとっては巨大なプレッシャーとなります。もともとは好きだから始めているものですが、認めてもらいたい、という気持ちから「辛い努力」に変わり、好きだったものが「両親を失望させられない」という気持ちに変わります。その中の主役も自分から両親へ変わります。
勉強でも、どれぐらいの知識が身についたかは重要ではなく、重要なのは好成績を取り、両親を喜ばせることになってしまうのです。
1位になることだけが自分を証明する方法
私達はよく「頭の良い人は下等である」という言葉を聞きます。言われているのは、かつての1位の子たちです。
私が見てきたところでは、たとえ1位を取っていた子だとしても、両親の子どもに対する圧力が大きいと、心理的な負担を常に抱えている感じを受けます。
「一位しか取らない」子ども達は再テストを許されない環境にあるため、往々にして心細さ、劣等感を感じています。そのため、一位になることだけが、自分というものを証明できるものになってしまうのです。
自ら上を目指そう!と思える子どもに
子ども達が社会に出たら、嫌でも「結果」を求められるようになってきます。せめて家では、子ども達の成績だけを見るのではなく、子ども達の毎日の勉強や努力を認めてあげられたらと思っています。
重要なことは、子ども達が自分で極限の能力を発揮できるように自分を奮い立たせる力をつけること。そして、自分を自分で認めてあげられるようになってほしい。
私は、自分の子ども達に、自分の成長過程を楽しんでもらいたいと思っています。張りつめて、泣きながら1位を追及してほしくはありません。
By yuki@China
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