美食大国、中国。 食べ物は人間にとって最も大事なもの。そして食べるために欠かせないこととして、料理をつくるための鍋があります。
理由は鉄分補給のため!!
鉄鍋は、中国人のどの家庭にも必ず1つはある鍋です。おかずからスープまで、1つの鍋で家族分のごちそうを作ることができます。
以前、物資が乏しかった時代、鉄鍋は大流行しました。最大の理由は「鉄分補給」です。その理由の通り、鉄鍋の主成分は鉄ですから、加熱中に少量の鉄成分がしみ出てきます。そのため、料理に鉄分が入り込み「鉄分補給」になる、というわけです。
出典:貧血対策サプリ
鉄鍋は、徐々に中国の伝統的な調理器具になっていきました。でも、鉄である以上さびがつくこともあります。そのため鉄鍋を使用したらすぐ洗って乾かすか、こだわる人は油を薄く塗り、さびを防いだりしています。
さて、日本人はどのような鍋を使っているのでしょうか?
日本ではテフロン製が主流
私が日本に来て以来、よく見るのがテフロン加工と琺瑯です。その中でもテフロン加工のフライパンは日本の調理器具売り場の大半を占めています。
中国でも、テフロン加工のものはよく見かけます。その最も良い点は、フライパンに食材がつきにくく、清潔で便利なところ。
最初に中国市場にテフロン加工のフライパンが参入してきた時は、それはもう大人気。我が家もすぐに買いました。でも、使っているうちに、だんだん食材がくっつくようになってきました。コーティングがはがれてしまうのです。
コーティングから有毒物質も?
鉄鍋の市場価格はだいたい30-100元ですが、テフロン製は100-400元(2016年7月14日時点で、1元=15円)。3倍の値段もするテフロン製が結局は普通の鉄鍋になってしまった、というのではとても損した気分になります。
さらに現在、テフロン加工の鍋に関して、コーティングから有毒物質が出てきて、さらに人体に危害があり、がんを発症するかもしれない、というニュースもあり、人々はテフロン加工の鍋を使わないようになりました。
(テフロン加工の鍋による癌に関するニュース
http://thesun.on.cc/channels/news/20060309/20060309022535_000.html)
鉄鍋で焼く、揚げる、炒める、煮る、蒸す!
しかし、中国人が鉄鍋を愛用するのには、テフロン加工の鍋はコーティングの不安要素があるという以外に、もう一つ大きな理由があります。
それは、調理方法です。 中華料理は世界三大料理の中の1つと言われ、豊富な食材が使われます。そしてその調理方法も多様。焼く、揚げる、炒める、煮る、蒸すといった方法が使われますが、鉄鍋一つでこれらの料理に全て対応できるのです!
鉄鍋は、碗状の形をしていています。底が狭く、上口が広がっており、炒める時に材料が外に飛び出す心配がありません。
上まで水を入れて煮ることもできます。蒸籠を上に乗せて、饅頭を蒸して食べることもできます。
さらに中国では、天然ガスのガスコンロのため、火力が比較的一点に集中します。均等に火力が分散されるガスコンロとは違い、そのため平らな底のテフロン加工のフライパンより、鉄鍋の方がこうした観点からも適しています。
鍋の形一つ見ても、その背景の違いが色々と見えてきます。毎日使うものだからこそ、体のことも考えながら、その台所に最適な道具を使っていきたいですね!
By yuki@China
yukiさんの記事はこちら
・世界一高額な「鉄板」-上海のナンバープレート/China
・二人目、産む?産まない?/China
・野菜用洗剤は本当に効果あり??/China
・三か国にお世話になった出産/Thailand
・我が家の離乳食―中国、日本、タイ3カ国文化大衝突
・yukiさんインタビュー
ぜひリレーインタビューにご参加ください。
あなたの声を世界のママに届けます。インタビューはこちらから