私が息子とドイツに移住をしてから早2年が経ちました。移住や留学について問い合わせをいただくことも増えてきましたので、ここで簡単にドイツと他の英語圏への移住の違いについて書いてみたいと思います。
ドイツに留学する際に抑えておきたいポイント
ドイツ留学を考えるときは、留学を国の主要産業としているオーストラリアやニュージーランド、カナダなどとは違うということをまず理解する必要があります。大学留学では制度面の違いはあまりありませんが、中学、高校の留学では大きな違いがあります。
単身留学の年齢
オーストラリアなど英語圏は11歳ごろから単身の留学が認められていますが、ドイツでは単身留学は16歳以上と決められています。
ビザの種類
ドイツでは、観光ビザの範囲の90日で語学学校に通学する短期留学は自由にできますが、90日以上の滞在の場合は、ビザ(滞在許可証)を取得しなければいけません。
16歳以下の子どもは単身での留学はできないため、親も同行することになります。その際に親が取得するビザは就労ビザ、子どもは学生ビザが必要となります。
つまり、90日以上の滞在は、留学ではなく「親子移住」となるわけです。そして最初に住民登録をし、きちんと税金を支払っての滞在になります。親が就労ビザを取得し、税金を支払わないと滞在できないのです。
就労の敷居が高い英語圏
オーストラリアなどは、留学は学費を支払えば簡単にビザが取得できますが、就労ビザの敷居は高く、英語圏の学校を卒業していないと、職業を持つことはできません。(ワーキングホリデーは別ですが)。
つまり、英語圏では、留学は何年でも何十年でもお金さえ支払えば簡単にできますが、親は子どものガーディアン(保護者)としての滞在以外、就労の形での滞在は簡単にはできません。
ドイツでは、ドイツ人から職業の場を奪わない職業であるなら、就労ビザを取得できます。ビザ取得のためには、自分で仕事を作る必要が出てきますが、今はパソコン1台で色々な仕事ができる時代です。チャンスを広げるためにも、何ができるのか、ということは常に考えていきたいですね。
欧州では5年で永住権が取得できる
永住権については、英語圏では何年滞在しても取得できませんが、欧州では5年で永住権が取得できるようになっています。
英語圏ではお金のある富裕層、英語圏の国に利益になる人材しか滞在させたくないという意図が垣間見られます。そのため、敷居をどんどんあげているわけですね。
一方、ドイツでは、上述のように自分で仕事を作ることができれば就労ビザが認められる、という点で英語圏より敷居は低くなります。
現在では、シンガポールの平均年収が900万円と言われる中、日本の平均年収は、400~500万円と言われているところから見ても、今後、日本人が英語圏に留学するのは難しくなっていくと考えて間違いないでしょう。
でも、ドイツには、まだチャンスがわずかながら残っていると言えます。次回は「ビザ取得者が必ず行かなければいけない語学学校」について書いてみたいと思います!
By Iolley@Germany
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