ドイツの大学進学率は20%!!
ドイツでは誰もが大学に行くという制度にはなっていません。大学に行くのは、しっかりと研究したい学生、将来的に管理職、研究職に着きたい人が行くことになります。そのため、大学進学率は全体の20%程度。
そして大学に入学しても、きちんと研究をして卒業論文を仕上げないと卒業はできません。日本の大学のように、就職活動をしながら、単位だけ取得して卒業、という訳にはいかなのです。
残りの80%は、専門学校か職業訓練学校へ進みます。営業職やコンピューターの専門職、手を使う職人を目指す学生も専門学校か職業訓練学校へ。日本では、会社の営業職でも大学卒業を要求しているところがありますが、よく考えてみると、営業の仕事に大学の研究は必要ありませんよね・・・。
中学卒業後からの充実した職業訓練制度-アウスビルドウング-
一方、早く職業訓練をしたい生徒は、中学卒業(10年生終了)から、職業訓練ができる「アウスビルドウング」という制度があります。
(産業や工芸品、工学教育の職業訓練風景)
アウスビルドウングは、職業学校で訓練をする場合とすぐに仕事の即戦力になる場合の2通りがあります。期間は3年間。どちらも15~16歳からお給料もちゃんと支給されます!最初は、最低賃金の1時間8.50ユーロ(1,100円)くらいですが、2年目には、9.50ユーロ、3年目には、11.50ユーロに。
そのため、中学卒業でもしっかりと経験を積んでいけば、その分野の専門家になり、例えば、建築関係の仕事でも月に3,000~4,000ユーロ(40万~50万)くらいも稼ぐことができるようになります。日本と比べ、中学卒業からでもドイツの方がしっかりと稼ぐことができる仕組みができているように思います。
日本ももっと職人を育てる環境を
日本も物作りが盛んな国ですが、職人を大事にするような風潮はだんだん薄らいでいます。一方、ドイツは手作り職人を大事にします。バイオリン職人、ピアノ職人、木製のおもちゃ職人、木管楽器職人、義肢職人、時計職人、パン職人、お菓子職人などなど、素敵な職人がたくさん!
日本でも伝統工芸の職人をもっと大事にして、ドイツのように後継者を育てていく制度を考えても良いのではないかと思います。例えば、現在海外でも人気のある岩手県の南部鉄器のティーポットは、日本の職人が作る伝統工芸の代表。海外では南部鉄の黒だけでなく、ピンク、白など色がついたものも非常に人気です。
ドイツで技術を学ぶことも!
もしドイツで職人を目指したければ、日本の中学を卒業して、16歳からドイツに留学し、1~2年のドイツ語を修得後、職業訓練制度に入ってみる、という選択肢も不可能ではありません!!
表面的な「大卒」という条件だけに振り回されるより、もっと大きな世界にチャレンジしていった方が、きっとわくわくするはずです!
Iolley@Germany
・大学入学のためのギムナジウムとアビトウーア/Germany
・公立?私立?勉強に追われる子ども達/Taiwan
・東京都の小学生~通塾事情とご飯と睡眠~ /Japan
・子どもの自立心を育む環境/Australia
iolleyさんの他の記事も合わせてお読みください。
・ドイツの就職状況~ベルリンの壁の東と西/Germany
・何歳になっても大学で学べる!/Germany
・ドイツ人から見た東日本大震災311
・ドイツに来たシリアからの難民の人々
・ドイツ人の食生活から学ぶこと、考えさせられること
・ドイツの電車の駅には、改札がない!?
・iolleyさんリレーインタビュー
ぜひリレーインタビューにご参加ください。
あなたの声を世界のママに届けます。インタビューはこちらから