ドイツは2022年、17基の原子力発電所を全て廃止に
世界の中で、日本の5年前の東日本大震災によって引き起こされた大事故に関して一番関心を持って見ていたのが、ドイツ人ではないでしょうか?ドイツは3.11の事故を見て、17基の原子力発電所を2022年までに全廃する方針を打ち出しています。
日本の大事故とチェルノブイリの教訓を鑑みて、方向転換をしたそうです。
市民も政治には積極的に参加
ここまで素早い方向転換ができたのも、国民の環境への意識の高さ、政治への積極的な参加意識があるからこそ、と感じます。
ドイツ人は、環境問題を特に重視します。自分たちの生活環境をいかに大切にするか、森や川を大事にすることを重要視します。
それは、ゴミの分別を効率的に効果的に処理していることからもわかります。エネルギーの無駄使いをしない、水を無駄にしない姿勢は、小さい頃から徹底的に教えられます。節約精神、ケチケチ精神が小さい頃から育っているように感じます。
ドイツでは、デモ(デモンストレーション)に参加することは称賛されており、知的な家庭では、子どもを連れてデモに参加することがステータスにさえなっています。
また、議論が好きな国民ですので、地域の問題や政治に関してでもはっきりと自分の意見を言うことが好まれます。
この場合、自分の意見が合っていようが、間違っていようが、関係ないのです。自分がこのように考えるという、姿勢を打ち出すことが重要だそうです。(学校でも、授業中に自分の意見を言うことが、点数の半分を占めています。)
様々な意見から、いろいろな方向性を探って行こうとするドイツの柔軟な姿勢が感じられます。根底にある「人の意見は様々だ、色々な考え方がある」という柔軟な姿勢が、多くの外国人、移民、難民を受け入れながらも、役割分担をうまく配分して、国をうまく回しているのですね。
ベルリンのイベントは北斎の浮世絵と福島の原子力発電所事故をコラボレーション
今年で5年が経つ東日本大震災-3.11。ベルリンで~フクシマ、その余波~というイベントが開かれました。パンフレットの表紙がこちらです。
葛飾北斎の富嶽三十六景より、神奈川沖浪裏の浮世絵(1831~35年)をうまく利用して皮肉めいた絵に仕上げています。葛飾北斎が七十歳から七十四歳の作品です。この北斎の浮世絵は、海外では、“グレートウェーブ ”として、赤富士と共に人気があります。
ドイツ人は、日本人以上に、日本の歴史と現在の状況もよく理解しているようです。
日本の財産である葛飾北斎の浮世絵と、日本の汚点である事故をコラボレーションさせているこの絵。江戸時代を過ぎ、明治時代から経済中心の国を目指し、わき目もふらずに邁進してきた日本。もう一度、これまでの歴史を振り返ってほしいというメッセージであるようにも感じました。
Iolley@Germany
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