二人目、産む？産まない？/China

2016年1月1日より、ついに中国は30年以上続いた一人っ子政策時代が終わり、〝二人目政策″を全面開放しました。つまり、どの都市に住んでいても、家族が何人いようとも、望めば二人の子どもを育てることが可能になった、ということです。
しばらくの間、ママ友達の間では、産む？産まない？という話題が多く出ていました。産むか産まないか、これは間違いなく大きなテーマ。子どもを産むという一言は、あまりに多くの事柄を含んでいるからです。

産む理由

実際の例をいくつかあげてみましょう。

一人っ子として生まれたAママ、二人目を産む

一人っ子として生まれたAママは、一人っ子は本当にとても寂しいと感じ、自分の子どもには自分と同じような寂しい思いをさせたくないという思いから、二人目を産むことを選びました。自分の子どもたちにお互いに助け合って成長してほしいと願うのは、二人目を産むことを選んだ多くのママ達の願いです。

一人っ子の私もそう思います。一人っ子は寵愛を一身に受け、わがままな性格に育ちやすいとも言われます。一人でも多くの兄弟姉妹がいれば、子どもの人格形成に少なからず役立つでしょう。
こちらは、二人目を産もうと思っている理由についての調査結果です。

＜二人目を産もうと思っている理由＞

子どもの教育と成長を考慮して。子どもが寂しい思いをしなければ、幼少期がもっと良いものになる・・・44％
現代社会では突発事故が多いので、保険として・・・44％
老後の保障のため・・・6％
その他・・・6％

産まない理由

さて、それでは「産まない」という選択をされる方の理由を見てみましょう。

＜二人目を生まないと思っている理由＞

良い事だとは思うが、現在の消費水準で一人育てるのも大変なのに二人目は無理・・・72％
二人目を育てると、生活の質が下がり、完全に自分の生活がなくなる・・・14％
面倒をみたり手伝ったりしてくれる人がいない、子どもが一人でもとても疲れている・・・12％
身体の問題でチャレンジできない・・・2％
産む理由と比べると、産まない理由は少し多様です。

夫婦共働きで二人目を希望していたBママ、産まないを選択

友人Bママは経済基準がしっかりしていて、二人目に対してはワクワクしていましたが、それでも生まないことを選択しました。どうしてでしょうか？
それは、子どもの面倒をみてくれる人がいないからです。多くの中国家庭と同じように、Bママの家庭は共働きで、二人とも日中は仕事に行っているので、上の子はすでにおじいちゃんおばあちゃんが面倒をみてくれています。年をとるにつれて、もう一人子どもの面倒みることはやりたくても力が及ばず、あきらめざるをえませんでした。

一人目の子どもの教育費にお金をかけているCママ、産まないを選択

友人Cママは上海に住んでおり、祖父母もまだ若く、もう一人子どもの面倒をみたいと思ってくれていました。でも、家のローンと車のローンを抱え、子どものピアノ教室、書道教室、英語教室で毎月1000元近くかかっている中、もう一人生むことで経済的な負担がもっと大きくなることは避けられません。もしかしたら、生活の質が落ちてしまうかもしれません。

今の環境が子どもの生活に適していないと考えるDママ、産まないを選択

友人Dママは、かわいい女の子がいます。娘の成長を見ていて、Dママは嬉しいと同時に、時々心配になります。ほとんど毎日、PM2.5が基準値を超すどんよりした空、新聞でまた違法ワクチンのニュースや農薬が基準値を超えているニュースを見ます。

誘拐されて売り飛ばされる子どもの事件も頻繁に発生しています。Dママは、「今の環境で、もう一人生む勇気がない。このような環境は、子どもの生活には適していない」、と言っています。
上記で、産まない選択をした三人のママの理由の詳細をみてきましたが、実はみんな産みたかったけれど、あきらめざるをえなかったのです。本当にママ自身ではどうにもならないところです…。
もし私たちの産休育休がもっと長かったら、もし保育園に生後6ヶ月から面倒をみてくれる新生児のクラスがあったら、もし私達に育児手当があったら、もし生活コストがこんなに高くなかったら、もし環境汚染がなかったら、もし子どもを巻き込む犯罪事件がなければ…、もっと多くのママが二人目を生む選択をするのではないかと思います。

私達の社会では、まだ不完全なことが多すぎます。政策を推し進めると同時に、それ相応の激励政策を普及させられるなら、二人目を産んだママ達のプレッシャーも減り、より良い暮らしができるようになるのではないかと思います。
By yuki@China

yukiさんの記事はこちら
・野菜用洗剤は本当に効果あり？？／China
・三か国にお世話になった出産/Thailand
・我が家の離乳食―中国、日本、タイ３カ国文化大衝突
・yukiさんインタビュー
ぜひリレーインタビューにご参加ください。
あなたの声を世界のママに届けます。インタビューはこちらから