1歳のお祝いは「一升餅」や「選び取り」
日本の子どものお祝い行事と言えば、お七夜から始まり、お宮参り、お食い初め、初節句、初誕生、十三参り、七五三、入学・入園、成人式など沢山あります。
一歳のお祝いには、お餅を使った「一升餅(誕生餅)」や、赤ちゃんの目の前に品物を並べ、初めに手に取るもので、将来の職業を占う「選び取り」の儀式が日本全国で行われています。
今回は「福岡の一升餅」についてご紹介したいと思います。
(背負う一升餅の記事はこちらです(日本の1歳児、初の誕生日に「いっしょう」の重みを背負う)。)
福岡の一升餅は背負いません!!
一升餅は、「一生(一升)食べ物に困らないように」とか「健康で力持ち(餅)になるように」という願いが込められています。1)
一升(約2キロ)のもち米でお餅を作り、お餅を「背おわせる」か「踏ませる」かの2パターンのやり方があります。全国的には背負うパターンが多ですが、福岡では踏むパターンが取り入れられています。
今回は地元の老舗和菓子店で一升餅を用意したのですが、お餅と草履がセットで販売されていました。福岡では、一升餅は「踏むもの」として浸透していることが分かりますね!
踏み餅で地に足をつけて歩いていけるように!
一升餅を踏むわけは、一升餅を大地になぞらえ、草鞋を履かせた足でお餅の上に立たせ、「しっかり地に足をつけて歩いていけるように」とか「一生を強く歩ききる足腰の強い人間になるように」などという願いが込められているそうです。2)
実際、一升餅を我が家でした時、息子は草鞋を履くことを嫌がり大泣きしました。草鞋は触るとザラザラとしていて確かに履き心地は悪そうです。「お願いだから履いて~」という気持ちで、義理の母と私の二人掛かりで息子に草鞋を履かせ、お餅の上にやっとの思いで息子の足を乗せました。
見ている皆で大爆笑しながらでしたが、息子本人は「なんでこんな事をしないといけないの?」と驚きでいっぱいだったのでしょう。
お餅はその日のうちに食べきりサイズにカットして冷凍!
終わった後の一升餅は、行事を終えたその日に食べきりサイズにカットしておき、冷凍庫で保存し、食べる分だけオーブンで焼いて最後まで食べきりました。
一升餅を二人で食べきれるか若干不安はあったのですが、冷凍保存していた事と、老舗和菓子店のお餅は美味しく、思った以上に早くなくなった記憶があります。
お祝いの日は「命の奇跡」を再確認する日
1歳までの母親は本当に忙しい
子どものお祝いの行事は1歳までが目白押しです。その時期の母親は、授乳やオムツ交換、沐浴、寝かしつけなど子どもにかける時間が大半を占め、十分な睡眠時間も取れていない状況だと思います。お祝いの行事を行うとなると祖父母など招待客への連絡や、当日の料理・必要な道具の手配や事前準備などで、疲れてしまうのも事実ですよね。
その「時」にしかできないお祝い行事
しかし、それでも「やって良かった!」と思えるのが我が子のお祝い行事です。私の場合は「これは今しかできないことだから。」という思いが、事前準備の疲れを忘れさせてくれました。
行事の日は、皆から子どもの成長を祝ってもらい、母親として毎回楽しく、幸せな時間を過ごすことができています。これから成長して大きくなると、どんどん子どもは親元から離れていきますし、離れてこその成長だと思っています。
だからこそ、今子どもが小さいうちは、子どもとの時間をたっぷり取り、沢山の愛情を注ぎたい。奇跡の重なりあいで誕生した愛しい命。親として大事に大事に育てていきたいと再認識する今日この頃です。
参考文献)
1)須田剛:赤ちゃん・子どものお祝いごとがわかる本 朝日新聞出版,2015.4.30,P66
2)赤ちゃん行事カレンダー
shoko@Japan
1歳までの行事が、どのような思いを込めて昔から今に至るまで続いているか、改めて考えてみませんか。
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