交通違反発見アプリが一気に浸透!~子どもへの安全教育も徹底~/China


交通事故に子どもが巻き込まれるニュースは、子どもを持つ親として見ていて本当に辛くなります。外出先での事故や運転中の事故など色々ありますが、中国交通部が公開したデータによると、中国では毎年約1.85万人の14歳以下の子どもが交通事故で亡くなっているとのこと。チャイルドシートを使用していないことも主な原因の一つに挙げられています。

上海市の歴史上最も厳しい交通規則

こうした状況を受け、2017年3月25日、上海市は改定版<上海市道路交通管理条例>を施行しました。これは、上海の歴史上最も厳しい交通規則、と呼ばれています。

今回の規則改定により、以前、ほとんど違反でなかったものが全て違反となりました。後部座席の人がシートベルトをしないことや、電子スクリーンの使用は日本では100%違反とはなりません。12歳未満の子どもは助手席に座ることに至っては、日本では規定にすらありません。
規則が施行された当日の統計によると、当日の午後3時の時点で、上海市内だけで累計2万件以上の違反があったとのこと。上海市民も突然の規則変更に戸惑ったことと思います。

交通違反発見アプリも積極的に導入!!

交通規則への意識を徹底させるため、上海警察は携帯で違反者をすぐに撮影できるアプリの導入を推奨しています。交通警察は市民からの違反の知らせを受け取り後、内容を識別し、当事者を確定。その後当事者は罰せられる、というもの。

このアプリは既に広く使用され始めています。交通違反については上海市民がお互いに監視しあうようになってきており、交通規則の徹底に向け、大きな役割を果たしていると言えます。これからの事故削減に期待したいですね!

子どもの事故は水災害や危険な行為によるけがも

さて、これまで交通事故という視点で見てきましたが、統計データによると、子どもの思いがけないけがの中で、交通事故の割合は14.1%。水による事故が24.1%と断トツでトップ、危険行為によるけがが12.5%。この3つのケースが半数を占めています。

日常生活の中で起きうるけがや事故を防ぐには、教育が必要不可欠。上海の学校の子ども達が危険を避け、自分を守るためにどのような教育がされているのか見てみましょう。

火災、水難、誘拐まで―自分の身を守る教育を徹底

現在、中国全土の小中学校では基本的には『安全課』という授業が設置されています。地区ごとに使用している教材は異なりますが、教える内容は1つ。「子どもと青少年の日常的な安全」です。その中には、交通安全だけでなく、日常生活の中で起こりうる火災、水難事故、誘拐なども含まれています。
上海を例にすると、2013年秋から、上海市の小学一年生、小学四年生、中学一年生、中学二年生、高校一年生で<公共安全行動指針>というカリキュラムが必須科目となり、毎学期に少なくとも8時間割り当てられています。そのほかの学年では選択科目となり、毎学期4時間を下回らないようになっています。

内容は大きく「路上」「学校」「家の中」「地域社会」に分けられます。小学低学年の「路上」の部分では「よくある通報・救急方法」「証明書のない露天商からは離れる」「水辺のデッキと川の危険」「交通安全」などがあります。小学生に対しては危険を理解し回避すること、中学生に対しては自力救助など、高校生に対してはお互いに助け合うことなどを強調しています。
(第1課 放課後はすぐ家に帰ろう)

スクールバスから逃げる練習も!

上記のカリキュラム以外に、学校では啓発デーがあり、学校では交通や消防などの部門が来て合同教育を行っています。
毎年3月27日は全国小中学生安全教育の日で、宝山区永清路小学校では公安局交通警察部隊により、実際にシートベルトの重要性について説明がされた他、スクールバスから逃げる練習も行われました。

まずは大人がルールを守り、子ども達を守れる社会に

しかし、子どもは心も行動も未熟であり、突発的な状況になった時にどれだけ対応できるか分かりません。教育を強化することも重要ですが、さらに重要なのは、社会からの保護です。チャイルドシートを設置することだけでなく、まじめに厳しく公共場所の各規定を守ることが、子ども達が健康に成長する環境を作りあげることに繋がります。
また、大人の的確な行動やお互いを大切に思い、助け合う姿勢を見せることは、子ども達にとっては学校で勉強するよりも良い教育と言えるのではないでしょうか。いつか、皆の意識があがり、生活環境の安全度が上がり、そして子ども達の安全指標の教科書がどんどん薄くなることを望んでいます。
By yuki@China

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