モザンビークの出産

南アフリカ、モザンビークで実際に2人目のお子さんの妊娠生活を過ごしたtotukuさん。モザンビークでの出産事情について、ご自身の体験と現地の様子が届きました。

他国の援助により安価で病院で出産が可能

モザンビークでは病院で出産するのが一般的です。数回検診を受け、そしてその日が来たら、病院に向かい出産します。モザンビーク国民であれば、公立病院で診療を受けるのに1MT(30円ほど)を支払うだけです。処方箋は5MT(150円)だけ。きわめて安価ですが、それは他国の援助のためです。
151031用-検診を待つママと受付
日本人の私は妊娠5ヶ月の時に引っ越してきましたので、出産準備のための帰国月(9ヶ月頭)まで私立病院で妊婦検診を受けることにしました。海外で検診を受けることになってからはじめて知ったのですが、先進・後進国問わず、日本のように“毎回”超音波検査をするのは珍しいようです。

エコー検査の費用はひと月の稼ぎ代

安定期以降、月一回の検診はどこも同じようですが、ここでは心音確認や体重、血圧の検診のみ。1人目を日本で生んだ身としては、エコーの楽しみがなく少し物足りなさがありました。こちらでは内診はありません。
エコーがあった日は問診、心音の確認その他で1万円ほど。日本で国の補助券に慣れていたため、値段にびっくりしたことを覚えています。なぜなら、その1回分の検診代が、ひと月の稼ぎに値する国民がたくさんいるからです。モザンビーク国民の妊婦さんは政府からの補助券で簡単な検診は公立病院で受けられるものの、エコーを受けることはありません。
echo
私は第一子の出産時に羊水過少症になり、第二子は前置胎盤であったためエコーは必須でした。しかし、多くの妊婦さんが自分の妊娠状態をしっかり把握していないため、死産がとても多く、悲しい現実です。現地の友人のひとりは「胎盤」という言葉を知りませんでした。(でも5人の子持ちです)
日本の母親学級や母子手帳のすばらしさを改めて感じるとともに、妊婦自身が当事者の一人として学ぶことの重要性、そしてなによりも国からの支援の重要性を感じました。
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産後2か月で女性は職場復帰

モザンビークでは産休も育休もあります。一応、法律でも定められているようです。日本同様、所属先によって期間や待遇もそれぞれですが、大学に勤めている友人の場合は出産予定日の2ヶ月前に産休に入り、産後2ヶ月間育休を取った後、復帰しました。ここでは一般的な範囲だそうです。
しかし、家政婦として働いている女性は個人契約者が多く、産休・育休の取り決めをしてないことが多いため、クビになってしまったり、休まず働き続けたり、よい環境とは言えません。産休、育休のメリットはもちろん有給であること、そして在籍したまま育児に専念できること。
Raquelina
家政婦Raquelinaさん インタビュー記事はこちらhttps://www.wm-salon.com//raquelina/
彼女の場合は産後2ヶ月で職場に復帰せねばならず、乳母探しを苦労していました。ここの保育園は2ヶ月から預けられるところがたくさんあります。問題点は母乳を続けるか、断乳してしまうか、産後の自身のケアをどのようにするかなど、悩まれるお母さんは多いようです。
by totuku@Mozambique
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