食品ロスを考える(1)/Japan

《毎日ご飯を食べることが出来ること》は、当たり前のことのように思えてしまいますが、世界に視野を広げてみると、このことがいかに幸せなことなのかに気付かされます。今回は、世界の食糧事情に目を向けながら、日本の食品ロスの現状について考えていきたいと思います。

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食べられるのに捨てられる「食べ物」-食品ロス

「食品ロス」とは、本来はまだ食べられるのに捨てられてしまう食品のことを指します。日本国内の食品ロスは年間約500~800万トンと試算されており、これは国内のコメの年間収穫量に匹敵する大変な量です。
さらに、日本がODA援助しているナミビア、リベリア、コンゴ民主共和国3か国分の国内仕向量にも相当します。日本では毎日これほどの量の食べ物が、まだ食べられるのにも関わらず捨てられてしまっているのです。
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世界の現実を「知る」

では、世界の食糧事情はどの様な状況なのでしょうか?
『世界がもし100人の村だったら③たべもの編』から、次のようなことが分かります。
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Amazon「世界がもし100人の村だったら 3 たべもの編」
世界がもし100人であったら、村人100人のうち、16人は1年を110万円以上で暮らし、色々なものをたくさん食べることが出来ています。さらにそのうちの2人は日本人です。一方で、41人は1年を8万円以下で暮らしており、時々しかご飯を食べることが出来ていません。
41人ですから、世界で半分近くの人は、時々しかご飯を食べることが出来ていないのです。加えて、そのうちの12人は、戦争や干ばつ、洪水や砂漠化のために、満足に食事を取ることが出来ず、いつもお腹をすかせており、その多くは農村の女性や子どもたちです。
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自分の子どもが、戦争などの理由でご飯を食べることが出来ずいつもお腹をすかせているなんて、日本での生活が当たり前ですと、想像できませんね。しかし、世界の約1割の人はそのような状況下に生活しているのです。私たちはまず、そうした現実を「知る」ことが大切です。
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食べ物はなぜ捨てられてしまうのでしょうか?

食品ロスは、食品メーカーや卸、小売店、飲食店、そして家庭等、様々な場所で発生します。そして実は、食品ロスの約半分に当たる年間約200~400万トンは家庭から発生したものなのです。
家庭で食品ロスが出る理由としては、野菜や果物の皮をむきすぎること、食べられる部分まで除去して捨ててしまうことや、食べ残し、手つかず食品の廃棄などが挙げられます。
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手つかず食品の賞味期限の内訳を見てみますと、必ずしも賞味期限切れというわけではなく、賞味期限前のものが24%含まれていたという調査結果もあります。(京都市「家庭ごみ組成調査」2007年度より)
また、食品メーカーや卸、小売店においては、過剰在庫や破損品、売れ残り品などが食品ロスにつながっています。
飲食店においても、客が残した料理が食品ロスとなっています。飲食店の中でも特に、宴会、結婚披露宴、宿泊施設で提供された料理の食べ残し割合が、一般のレストランに比べ、およそ5倍大きくなっています。
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この様に食品ロスが出る背景には様々ありますが、いずれも、私たち一人一人の意識改革、工夫次第でその量を減らしていくことが十分出来そうに思えるものです。
次回の記事では、世界の食品廃棄の状況も見ていきながら、私たちに出来ることをもう少し深く考えていきたいと思います。
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【参考文献等】
『世界がもし100人の村だったら ③たべもの編』池田香代子著、マガジンハウス編、2004年。
消費者庁平成26年度版消費者白書、第1章【特集1】食をめぐる消費者問題~食への信頼の回復と安心の確保に向けて~ 第3節 食品ロスの現状と削減への取組 より。
By Kocchi

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